今年5月22日に横浜アリーナにて開催されたワンマンライブが映像作品化。彼女たちの魅力は多岐にわたるが、ライブ映像ならではの楽しみ方のひとつとして「6人の驚くほどに豊かな表情を堪能する」を唱えたい。全身全霊で歌い踊る姿や表情は言わずもがな、客席を見渡して浮かべる自然な笑み、無言劇のようなユニークな見せ方のダンスなど、彼女たちの細やかな表現を間近で目撃できる。なかでも“社会のルール”のギャグ要素高めの微笑ましさ、“Life is beautiful”や“My landscape”の健気さや切実さは格別だ。1万2000人という規模でもメンバー各々の人間性を武器にする姿勢は「楽器を持たないパンクバンド」というキャッチフレーズに相応しい。

もちろん型破りで激しいパフォーマンスと観客の熱気が混ざり合うのもライブの醍醐味。ド派手な照明や特殊効果、様々なカットから捉えるカメラワークが、地に足をつけて堂々とこの大舞台に立つ6人の姿をさらに勇敢に映している。笑顔で締めくくるアンコールは、彼女たちが終わりを超えて始まりを手にした象徴のシーンと言っていい。（沖さやこ）