潔く人生に立ち向かうための12曲

ザ・クロマニヨンズ『レインボーサンダー』
2018年10月10日発売
ALBUM
ザ・クロマニヨンズ レインボーサンダー
このところブルースだったりR&Bだったりブギだったり盆踊りだったりと、ルーツ音楽に寄っていった感があったのだが、今回はストレートにロックンロール。先行シングル曲“生きる”を始め、ブルースの揺り籠をタイトルにした“ミシシッピ”も歯切れのいいロックンロールだし、軽快な“東京フリーザー”に程良いテンポの“モノレール”と、あれもこれもロックンロール。ヒロトのハープは控えめで歌詞もストレートだ。“おやつ”は働いて稼いで使って楽しむ、とシンプルな人生訓を歌い、“生きる”は夢中になれるものは時間を忘れさせることを思い出させる。感情を揺さぶるこうした曲と、情景を鮮やかに描く曲のバランスも見事。表題に繋がる虹と雷が歌いこまれた“ファズトーン”と“サンダーボルト”の並びはドキドキするし、“荒海の男”も素晴らしい。そして楽屋で出番を待つ気持ちを率直に歌う“GIGS(宇宙で一番スゲエ夜)”は、誰もがバンドマンになれる曲だ。どうやったら、こんなに潔く人生に立ち向かえるのだろう。いつものことだけれど、この新作はガッツリそう思わせられる。(今井智子)
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