完璧な完成形

キング・クリムゾン『メルトダウン~ライヴ・イン・メキシコ』
発売中
Blu-ray
キング・クリムゾン メルトダウン~ライヴ・イン・メキシコ

本文の拙稿にも書いたが、ほんとにこれは圧巻。『ラディカル・アクション〜』や『ライヴ・イン・シカゴ』も思考停止状態の言葉を書き連ねたが、これはそれさえも吹き飛ばす。ロバート・フリップの〈全てが一新〉との言葉に深く頷き、ロックを聴く、そしてこの音を受け止められる喜びがこみ上げてくる。
 
17年7月14〜19日メキシコ・シティのテアトロ・メトロポリタン公演から録られたもので、HQCD3枚+BDの4枚組。CDとBDでは曲目、曲順が違うので、単純にそれだけで違った感興が楽しめるが、いずれにしても演奏の密度が凄く、15年に実体験してあれほど叩きのめされたのに、それが前菜に過ぎなかったのではと思えるほど精緻の極みに達し感動のダダ漏れ状態に落とし込まれる。CD1の組曲“リザード”から“レッド”、“堕落天使”で息を呑み、CD2の“エピタフ”、“イージー・マネー”等の中間部で完全に放心、最後の“スターレス”で一瞬癒されるが、CD3では、ついに出た“突破口”の壮絶なピッキングに酩酊しながら“宮殿”を巡り、“ヒーローズ”でボウイに再会し、“21世紀の〜”に対峙するといった具合で、一瞬たりとも緩むことの無い演奏とテンションは確かに一つの到達点、神がかりレベルだ。

しかもビル・リーフリンが手がけた今回のミックス、全体には尖った印象も強いながら、非常に奥行きと立体感があり、アンサンブルとよくあっている。さらにもう一つ強調すべきはBDの素晴らしさ。サラウンドも魅力だし、映像が、これまで同様固定カメラながら、さらにこなれ、各人のプレイに迫り素晴らしい。“スターレス”の真紅に染まるステージでの満足そうなフリップの表情など、映像版を付けた意味も納得。これで予習は完璧だ。(大鷹俊一)



『メルトダウン~ライヴ・イン・メキシコ』の詳細はKING CRIMSON Official Websiteよりご確認ください。

キング・クリムゾン『メルトダウン~ライヴ・イン・メキシコ』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

キング・クリムゾン メルトダウン~ライヴ・イン・メキシコ - 『rockin'on』2018年12月号『rockin'on』2018年12月号
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