混沌を切り開く、歌と歌の必然

さユり×MY FIRST STORY『レイメイ』
2018年12月05日発売
SINGLE
さユり×MY FIRST STORY レイメイ
“それは小さな光のような”(梶浦由記)、“フラレガイガール”(RADWIMPS・野田洋次郎)といった「他者の楽曲の歌唱」ではなく、自身初となる詞曲の共作というプロセスを通して己の価値観と世界観を解体/再構築してみせた酸欠少女さユり。そして、さユりという表現者が体現する孤独と解放のダイナミクスを、自分たちのサウンドスケープと丹念に織り合わせることで、さらなる爆発力とスケール感を描き出したMY FIRST STORY。TVアニメ『ゴールデンカムイ』第2期オープニングテーマとして実現したさユり×MY FIRST STORYの邂逅は、今この時代という終わりなき混沌を切り開こうとする探求精神が招き寄せた必然そのもののように激しく、切実に胸に響く。

《歪な運命の中に囚われている 荒ぶ人生を共にあなたと歩くよ》――さユり&Hiroが互いにフレーズを託し合うように歌い継いでいく言葉はそのまま、さユりの真摯な歌世界の「これから」の黙示録であり、MY FIRST STORYの凄絶なるロックの闘争宣言でもある。渇いた心の荒野に光を差し伸べ得るのは、きっとこういう歌なのだろう。(高橋智樹)
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