『ワイルド・ライフ』もあるよ

ポール・マッカートニー&ウイングス『レッド・ローズ・スピードウェイ<デラックス・エディション> [完全生産限定盤]』
発売中
BOX SET
ポール・マッカートニー&ウイングス レッド・ローズ・スピードウェイ<デラックス・エディション> [完全生産限定盤]

お待ちかね、ポールの〈アーカイヴ・コレクション〉。今回新たに加わるのは、71年の『ウイングス・ワイルド・ライフ』と73年の『レッド・ローズ・スピードウェイ』(以下『RRS』と略)の2作品! 前回までと同様、通常盤やデラックス盤などマルチ形態での発売となるが、完全限定生産盤の中にはすでに「完売」の盤も……。詳しくは公式サイトでご確認ください。

ポールのディスコグラフィーの中では、なにかと「地味」な扱いを受けがちな今回の2作。でも、この頃のウイングスはB面曲や未発表曲に「隠れ名曲」が多く、だからこそ、どちらもじっくり「掘り下げがい」のあるアルバムである。その意味で今回注目の「初出し」音源は、『RRS』デラックス盤のディスク2に丸々収録されたメドレー含む全20曲のダブル・アルバム! これは何かというと、当時ポールがもともと計画していながら、頓挫してしまった幻の「2枚組LP」のトラックリストを「疑似再現」したもの。公式リリースとしては初の復元トライだ。

もちろん2枚組になったからと言って、『RRS』が突然「大名盤」になると言うつもりはない(それはさすがにウソだ)。でも、リンダやデニー・レインがメインで歌う曲や、オリジナル盤に不足気味だったアッパーなロック・チューンが加わることで、アルバム全体の印象はぐっと広がり&奥行きを増して聴こえるはず。赤バラの高速道は、単調な一本道じゃなく、本当は立体交差の二車線だったんだ。

もしこの2枚組が本当に73年に発売されていたら、一体どうなってたんだろう?……と考え出すと、夜も眠れなくなってくる。それもまた、本作の「妄想的」楽しみ方のひとつだ。さーて、次に選ばれるのは? そろそろ来るのか、『ロンドン・タウン』!?(内瀬戸久司)



『レッド・ローズ・スピードウェイ<デラックス・エディション> [完全生産限定盤]』の詳細はUNIVERSAL MUSICの公式サイトよりご確認ください。

ポール・マッカートニー&ウイングス『レッド・ローズ・スピードウェイ<デラックス・エディション> [完全生産限定盤]』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

ポール・マッカートニー&ウイングス レッド・ローズ・スピードウェイ<デラックス・エディション> [完全生産限定盤] - 『rockin'on』2019年1月号『rockin'on』2019年1月号
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