2017年の年末、大阪城ホールにて7人体制となった、でんぱ組.inc。それは同時に最上もが脱退後の不安から抜け出す、涙、涙の復活劇でもあった。そして2018年10月、夢眠ねむから年明けのグループ脱退と芸能界引退が発表された。今作『ワレワレハデンパグミインクダ』は鹿目凛がいて根本凪がいて夢眠ねむがいる7人体制での最初で最後のアルバムになる。現体制の新たなエネルギーを象徴するような“ギラメタスでんぱスターズ”や、夏フェスやライブを全力で彩った“プレシャスサマー！”など収録の、まさにでんぱ組.incの集大成とも呼べる全12曲。H ZETT Mが作曲・編曲を手がけた“太陽系観察中生命体”のように鍵盤のフレーズがアクロバティックに駆け巡るエキセントリックな楽曲でも、説得力をもって歌いこなせるのはさすが。そして“エバーグリーン”と“絢燗マイユース”というラスト2曲では、これからの人生を歩もうとする彼女と見送る私たち、という心情が読み取れてしまって、どうにもこうにもセンチメンタルな感情が溢れ出す。強く大人になっていくメンバーの成長が刻まれた1枚だ。（上野三樹）