目下「Chasing the Horizon Tour」のアリーナツアー編が開幕し、6月のライブハウス公演まで、MWAMはアジアやヨーロッパも巻き込みながら今ツアーを9ヶ月以上走り続けることになる。本当に、世界を股にかけて活躍するバンドの夢のようなスケジュールである。40代おっさんの戯言を言わせてもらうと、「スタジアムバンド」の存在もまた、10代の頃の僕には大きなロマンを抱かせるものだった。今のように全国のあちこちにドーム球場が建つよりも昔の話だから、ドームではなくスタジアムだ。行儀よく整列してラジオ体操をさせられるのが嫌いだからロックを聴いていたのだけれど、スタジアムバンドはバカでかい爆音を鳴らしてバラバラな沢山の人を一斉に振り向かせ、歌い、踊らせていた。こんなにも大勢が、ハミ出した熱狂と興奮を共有することができるのだ、と感じた。オオカミたちはそういう地平に立っている。初のスタジアムライブが映像作品化（『狼大全集』シリーズが英語表記に）。“Break the Contradictions”から“higher”の、重厚にして壮麗なロックに鮮やかな夕日が射すさまが美しい。（小池宏和）