JJをよく知る者らで厳選した極意の未発表音源集

JJ ケイル『ステイ・アラウンド』
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ALBUM
JJ ケイル ステイ・アラウンド

13年に他界したJJ ケイル。一般的にはエリック・クラプトンとの共演作品『ザ・ロード・トゥ・エスコンディード』が一番有名なアルバムだ。というのも、どういうわけか、あまりにも玄人受けし過ぎる人で、熟練ミュージシャンは誰もが好きなのに、一般的にはほとんど注目されない、知る人ぞ知るという存在であり続けてきたからだ。実際、JJ ケイルという名前が知られるようになったのも70年にエリック・クラプトンが“アフター・ミッドナイト”をカバーしたからだ。それも当時エリックがコラボレーションしていたデラニー・ブラムレットに教えられて初めて知ったというものだった。

ただ、JJ ケイルの場合、名うてのミュージシャンと共演するとその魅力が霞んでしまう印象も強い。ある意味で絶妙なバランスと按配を作曲とパフォーマンスの両面で常に極めようとしている人だからだ。たとえば、“アフター・ミッドナイト”についてもエリックは、形だけはカバーしたけど、音の鳴り方が絶対にJJの音とは違っていて、加減や弾き方は本当のところはわからないとも説明している。その奥義のようなところを存分に披露してくれるのが今回の作品だ。

内容はすべて未発表曲だが、徹底的な選別作業を妻でミュージシャンのクリスティーン・レイクランドとマネージャーのふたりで残された音源について行ったという。「ケイルらしさ」を最大限にまで打ち出したかったのでそんな音源を厳選したとのことで、たとえば“チェイシング・ユー”のまとわりついてくるような音とアレンジとパフォーマンスは本当に極意としか思えない。音の奥行きが曲の進行によって変化していくような不思議な感覚に満ちているのだ。今更ながらものすごい達人だったと知らしめる楽曲集だし、ある意味それがこのアルバムの目的なのだ。 (高見展)



詳細はHostessの公式サイトよりご確認ください。

ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

JJ ケイル ステイ・アラウンド - 『rockin'on』2019年6月号『rockin'on』2019年6月号
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