敢えて選び取った険しい道

ジ・アマゾンズ『フューチャー・ダスト』
発売中
ジ・アマゾンズ フューチャー・ダスト

2017年リリースのデビュー・アルバムが全英8位を記録したジ・アマゾンズ。約2年ぶりとなるこの待望のセカンドは、前作で示されていた「ふたつの可能性」のうちのひとつに、彼らが自分たちの命運を賭けた勝負作だと言っていいだろう。アマゾンズにとってのふたつの可能性、そのひとつめは、キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメンザ・ヴァクシーンズらにも通じる、UKギターの王道を進む道。そしてもうひとつがロイヤル・ブラッドからビッフィ・クライロ、さらにはミューズへと続く登頂プランが用意されている、UKヘヴィへの道だ。本作で彼らが賭けたのは間違いなく後者で、巨大な鉄球で出来た振り子が大きくグラインドするようなリフはQOTSA級の強度に鍛え上げられ、エッジも重量も前作とは比べ物にならない。早弾きのギター・ソロといい、アクセル・ローズばりのファルセットでのシャウトといい、オールドスクールなメタルの要素も貪欲に取り入れている本作での腹の括りっぷりは、冒頭の“Mother”、“Fuzzy Tree”の連打で早くも証明されている。

力技でねじ伏せていく前半から一転、中盤の“Doubt It”以降は、悲壮感が漂うよりダークなナンバーが続く。かつてグランジ・リバイバルとしても語られていたアマゾンズだが、未来に垂れ込める暗雲を予言し、「もう遅すぎるんだ」と歌う“Warning Sign”を筆頭に、本作ではグランジのサウンド面の模倣に留まらず、虚無と怒りが入り混じったグランジの精神面にも肉薄していると言うべきか。テン年代、UKギター勢が様々に方向転換を模索する中で、こうしてさらに険しい獣道に向けてアクセルを踏み込んだパターンは珍しいし、彼らの選択を支持したい。そして今こそライブが観たい! (粉川しの)



各視聴リンクはこちら

ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

ジ・アマゾンズ フューチャー・ダスト - 『rockin'on』2019年7月号『rockin'on』2019年7月号
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする