本当に求道者

10-FEET『ハローフィクサー』
発売中
SINGLE
10-FEET ハローフィクサー
ライブとかではまた違うと思うが、新しい音源を生み出す時の10-FEETって、たとえば「閃いた!」とか「下りてきた!」というふうに曲を作るのではなくて、陶芸家みたいに「これじゃダメ、これでもダメ、これなら……やっぱダメ」って、焼き物をばんばん割り捨てた末に、「これなら!」というものに辿り着く、そこにかける時間も手間も精神力も一切惜しみません、というイメージがある。実際どうなのかは知りません、あくまでイメージです。というと、「下りてきた!」派のほうが天才っぽくてよくね? と思われそうだが、そうやって「これなら!」に辿り着くには、その瞬間じゃなきゃありえなかった偶然やタイミングも不可欠なので、すべて理詰ではなく、ちゃんとマジックも働いていると思う。で。この3曲も、そんなふうに辿り着いたんじゃないかと、聴いていると感じる。どれも力いっぱい10-FEETで、力いっぱい新しい。特に表題曲。最初に聴いた時、その曲展開や構成、始まり方から終わり方まで全部含めて、「うわ、やられたわあ」と思った。前に進み続けることを本当に諦めない、この人たちは。(兵庫慎司)
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