詞と曲の絶妙なバランス

め組『ユエアイ』
発売中
MINI ALBUM
め組 ユエアイ
め組は、面白い言葉使いとポップな曲調のバランスが絶妙である。このミニアルバムでは、妄想たくましい片想いの歌に“ななこおねいさん”という甘えた響きの呼び名をつけた。でも、アップテンポで快調なサウンドだ。半同棲が題材の“お行儀の悪いことがしたい”は、規則正しく行儀のいいリズムでダンサブルな曲になっている。作詞作曲の菅原達也には、ややこしい感情や欲望をベタつかせず、ユーモラスに聴かせる技がある。

一方、リード曲“春風5センチメンタル”は、この季節の気持ち良さを歌いつつ《黒歴史》なんて言葉が登場する。また、『ユエアイ』のタイトルのもとになった“故愛(ゆえあい)”は、「愛ゆえに」のひっくり返し。「~ゆえにこうなった」というように、今の自分がこうである理由を過去に求める心情を、菅原はよく捉えている。自分のなかの子どもっぽい部分を「駄々」と名づけ擬人化した“駄々”の詞は、特に面白い。言葉数多く「駄々」のわがままぶりを表現しているが、メロディや歌いかたは切なくて、それは失いたくないものでもあると伝わってくる。強く印象に残る曲だ。(遠藤利明)
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