待望のOfficial髭男dismのメジャー1stフルアルバム。全14曲、全曲文句なしに多彩なポップが詰め込まれた作品。“イエスタデイ”や“宿命”などのヒットソングはもちろん、収録された楽曲すべてが素晴らしく練り込まれたアレンジとアンサンブルで、一気に聴き通してしまった。初聴なのに2コーラス目には思わず口ずさんでしまう“最後の恋煩い”のキャッチーさ。メンバーのコーラスワークが感動を盛り上げる“ビンテージ”のあたたかさ（これウェディングソングの定番にもなりそう！）。“FIRE GROUND”から楢﨑誠（B・Sax）作詞・作曲の“旅は道連れ”の流れで聴かせるヒゲダンならではのファンクネス。そしてラストのタイトル曲“Travelers”の時間を超えて旅をするかのように普遍と先鋭を同時に鳴らす美しく力強いバラードと、まさに音楽を旅するように華やかに、エモーショナルに楽曲が鳴り響く。小笹大輔（G）作詞・作曲の“Rowan”で聴かせるミドルバラードも、サウンドアレンジが不思議な浮遊感を感じさせ、新たな魅力を生んでいる。この多様さ。これぞフルアルバムの醍醐味。（杉浦美恵）