軽快な哀愁に潜むもの

ジェニーハイ『ジェニーハイストーリー』
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ALBUM
ジェニーハイ ジェニーハイストーリー
2017年夏に結成し、2018年10月に1stミニアルバムをリリース。2019年はフェスにも多数出演するなど、番組の企画を飛び越えてクリエイティブな活動を続ける5人組による1stフルアルバムが完成。メンバーそれぞれが母体の活動を持つ「副業」バンドという状況を逆手に取ることでバンドらしさを生み出すという挑戦的な作品だ。

ジェニーハイの楽曲の特徴のひとつは、本気でありながらシリアスになりすぎない絶妙な温度感。マイナーキーのセンチメンタルなサウンドに、楽曲によっては5人全員が歌い、ラップをするというキャッチーな見せ方や、どこか奇妙で毒のある歌詞が乗るというアンバランス感は、異なるフィールドで活動する5人を象徴するようでもあると同時に中毒性も高い。だがラストを飾る“まるで幸せ”はどこか様子が違う。刹那的な生き方をする主人公が多いなか、この曲だけは優しいタッチのミッドナンバーで、末永く苦楽を共にしたいという想いが綴られたプロポーズソングだ。もしこれが「このバンドを続けていく」という決意の表れならば非常に喜ばしい事実である。(沖さやこ)
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