一攫千金よりも趣味追求

テイラー・ホーキンス&ザ・コートテイル・ライダーズ『ゲット・ザ・マネー』
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ALBUM
テイラー・ホーキンス&ザ・コートテイル・ライダーズ ゲット・ザ・マネー

フー・ファイターズの敏腕ドラマー、テイラー・ホーキンスの率いるプロジェクトによる、約9年ぶりとなる通算第3作。今やあのデイヴ・グロールがドラマーだったことすら忘れてしまいそうになるが、多芸多才なのが彼だけではないことを再認識させられる作品だ。

そのデイヴをはじめ、ガンズのダフ・マッケイガンやイーグルスのジョー・ウォルシュ、ジェーンズ・アディクションのペリー・ファレルからクイーンのロジャー・テイラーに至るまでの絢爛豪華なゲストが名を連ねており、それを列挙しただけでこの原稿が埋まってしまうほど。収録曲のなかにはザ・カーズみたいな感触のものもあれば(前作には同バンドのエリオット・イーストンも参加していた)、フー・ファイターズに持ち込めそうなものもあり、最後の最後にはヤードバーズの“シェイプス・オブ・シングス”のカバーまで登場する。楽曲的には実に多様だが、大雑把に全体を形容するならば、1972年生まれの彼にとってのルーツといえるはずのクラシック・ロックがオルタナティブ経由の感性で料理されている、といった印象だ。

元々、気の合う仲間たちとのセッションや宅録から始まったはずのプロジェクトがえらく肥大してしまったようにも思えるが、商売っ気ではなく趣味丸出しの内容にはピュアな魅力があるし、素性を知らずに聴いたなら思わず「フー・ファイターズやザ・ブラック・キーズの対抗馬になり得るのでは?」なんてことを口走ってしまいそうだ。

先頃、過去にアクセル・ローズからガンズへの参加を要請された事実と、ロジャー・テイラーからの助言によりそれを断ったとの逸話が明かされていたが、彼とアクセルが一緒に何かを作っていたらどうなっていたのかにも興味を惹かれる。(増田勇一)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
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テイラー・ホーキンス&ザ・コートテイル・ライダーズ ゲット・ザ・マネー - 『rockin'on』2020年1月号『rockin'on』2020年1月号
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