巨人たちを突き動かす衝動

サンズ・オブ・アポロ『MMXX(リミテッドエディション)[完全生産限定盤]』
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ALBUM
サンズ・オブ・アポロ MMXX(リミテッドエディション)[完全生産限定盤]

デビュー・アルバムとなった前作『サイコティック・シンフォニー』以降全83公演のワールド・ツアーを敢行しライブ盤も制作していることを考えれば、HR/HM界屈指のスーパーグループの約2年スパンでの新作発表はまさに疾風怒濤の勢いと呼ぶべきだろう。マイク・ポートノイ&デレク・シェリニアン(ex.ドリーム・シアター)、ロン・“バンブルフット”・サール(ex.ガンズ・アンド・ローゼズ)、ビリー・シーン(MR.BIG)、ジェフ・スコット・ソート(ex.イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォースetc.)という強豪メンバーの面々にとっても、このサンズ・オブ・アポロという唯一無二の場所は、シーンの/時代の新たな突破口としての重要性を刻一刻と増しつつある│ということを、この2ndアルバムの威風堂々の迫力がまざまざと物語っている。

5人の「接近遭遇」的な実験性のカオスとは一転、今作での彼らは冒頭の“グッドバイ・ディヴィニティ”から巨大なプログレッシブ・メタルのうねりを体現し、極太のリフに卓越したプレイアビリティを心置きなく委ねていく図は、それ自体が熾烈なロック・アートとしての凄味を備えたものだ。衝撃と戦慄をコードとフレーズに置き換えたような“アスフィクシエイション”の不穏なまでの誘引力。珠玉のハード・ロック・バラード“デソレット・ジュライ”で繰り広げる雄大なスケールの音の地平。“キング・オブ・デルージョン”に渦巻く紅蓮の重金属アンサンブルの美学……そんなアルバムのラストを飾るのは、SOA史上最長の15分超えの大曲“ニュー・ワールド・トゥデイ”。5人のバック・グラウンドもキャリアも新次元へと昇華するようなロック・スペクタクルは、お互いが認め合い血肉化した「今」の何よりの証だ。(高橋智樹)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。
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サンズ・オブ・アポロ MMXX(リミテッドエディション)[完全生産限定盤] - 『rockin'on』2020年2月号『rockin'on』2020年2月号
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