磨き抜かれた感性

ソーリー『925』
発売中
ALBUM
ソーリー 925

最近のヘヴィ・ローテ。これほどのアルバムを作ってくるとは、正直、思っていなかった。失礼しました! ノース・ロンドンの新鋭。3年ほど前から『Home Demo』と題したビジュアル・ミックステープを発表し、地元を中心に尖ったファッション関係のところで話題になっていたようだ。

先行シングルでもあった“ライト・ラウンド・ザ・クロック”をオープニング・トラックに置いた本作は、ゴリラズなどとやってきたジェームズ・ドリングを共同プロデューサーに、ドミノ・レコーズが強力プッシュでぶつけてきたアルバムで、クールなジャケットもとても良い。

幼なじみで現在22歳となるアーシャ・ローレンスとルイス・オブライエンによるデュオを基本に、リンカーン・バレット(Dr)、キャンベル・バウム(B)が参加したバンド形態となり活動しているが、まず耳に残るのは、素直でくったくのない美しいメロディで、アプローチ/感性としてはポスト・パンクやニュー・ウェイブ時代のインディ系アーティストに通じる感触なのだが、風通しの良さが決定的な違いで、エレクトロ・ポップ・サウンドのフォーマットを受け継いでいながら、広く拡散していく感触が新鮮。このサウンド構造で、これほどフレッシュに聴かせるというだけで才能と未来を確信させてくれる。

ヘルマン・ヘッセ(小説家、詩人)からエイフェックス・ツイン、そしてトニー・ベネットをインスピレーション源と並列化する柔軟性、それを充分に音化しているし、掛け合いのボーカルがかっこいい“パーフェクト”や“ロックンロール・スター”なんて曲を聴いているとウルフ・アリスシェイムあたりと一緒に大きな動きの中心となってほしいが、その可能性に満ちたデビュー・アルバムだ。 (大鷹俊一)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。
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ソーリー 925 - 『rockin'on』2020年4月号『rockin'on』2020年4月号
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