我が意を得たりなカバー集

ホイットニー『キャンディッド』
発売中
ALBUM
ホイットニー キャンディッド

昨年リリースした2ndアルバム『フォーエヴァー・ターンド・アラウンド』が高い評価を獲得したホイットニー。本作は初となるカバー・アルバムで、彼らに影響を与えたという楽曲がセレクトされている。彼らといえばかねてよりNRBQやニール・ヤングのカバーがライブの定番曲として有名だが、ドラマー/シンガーのジュリアンいわく本作は「今後、僕らがバンドとしてどう進化していくかの大きな探求となった」とのこと。偉大なるレガシーへのトリビュートと共に、己のミュージシャンシップに関わる矜持が今回の制作には込められているようだ。

選ばれた楽曲のジャンルはじつに様々。カントリー、フォーク、ソウル、ファンク、ジャズ、最新のR&Bからワールド/エスノ・ポップまで。共通しているのは全て「歌もの」であることだが、どの曲もホイットニーらしくソング・オリエンテッドでタイムレスな魅力に溢れたサウンドに仕上がっている。ジョン・デンバー、ムーンドッグ、ダミアン・ジュラード、ザ・ローチェズ辺りは納得だが、驚きはケレラやデヴィッド・バーン&ブライアン・イーノといったセレクトだろうか。とりわけ前者の“バンク・ヘッド”では原曲のミニマルなビート処理を巧みに咀嚼しながら、神々しささえあるモダン・ブルー・アイド・ソウルな曲の世界を生演奏で見事我が物にしている。そして改めて言わずもがなだが、ジュリアンのボーカル&ファルセットの美しさにはため息しかでない。

そういえば以前来日した際、地元のセイヴ・マネー周辺のラッパーとも交流があることをインタビューで教えてくれたジュリアンとギターのマックス。機会があればその方面のカバーも聴いてみたい。今回の経験が今後の曲作りにどんな影響をもたらすのか楽しみだ。 (天井潤之介)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。
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ホイットニー キャンディッド - 『rockin'on』2020年10月号『rockin'on』2020年10月号
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