インディーポップの色彩の極致

YENMA『Piñata』
発売中
ALBUM
YENMA Piñata
2014年の「閃光ライオット」で一躍注目を集めたCharlesが、解散→再結成を経てバンド名をYENMA(エンマ)と改めリリースする初の全国流通盤。眩しいハイトーンボイスで激しく音階を躍動する、池田光(Vo・G)の圧巻のポテンシャル。一見「ポップ&カラフル至上主義」な志向性のバンドのようでいて、アッパーな加速感に満ちた“Cavalry”にあふれ出すフリージャズ的な妖艶さといい、クールなポップ感をまとった“茜色のワンピース”の間奏で聴かせるフュージョン直系のミステリアスな展開といい、男女4人のメンバーの音楽的なバックグラウンドの奥行きを感じさせるクリエイティビティ――。松岡モトキ/ヒダカトオルTHE STARBEMSGALLOW)をプロデューサーに迎えた今作の8曲が指し示すのは、あらゆる音楽的な文脈や表現力の限りを総動員して、何者にも干渉されることのないポップミュージックの楽園を築こうとする4人の冒険心だ。“シャンデリア”の無垢な高揚感から至上のバラード“あなたに花束を”まで、2020年代型インディーポップの最右翼と呼ぶべき輝きに満ちた一枚。(高橋智樹)

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