速さと大きさ、すべてがど真ん中

[Alexandros]『閃光』
2021年05月05日発売
SINGLE
[Alexandros] 閃光
3月21日の幕張メッセ。庄村聡泰勇退の花道となったワンマンライブで、最後の演奏となった“Untitled”を終えてステージを去ったあと、ふうっと息を吐いた川上洋平が「[Alexandros]はまだまだ続いていきます」と宣言して鳴らしたのがこの新曲だった。美しいギターのアルペジオが力強いリフに変わり、ビートが目の前の闇も霧も切り裂くような勢いで疾走する。《新しい世界を紡ぎ出していけ》という歌詞以上にそのサウンドが、そのスケールの大きなメロディと大サビでのリアドの鬼のようなタムロールが、[Alexandros]の新章の幕開けを物語っていた。というわけでエモい気持ち抜きにはとても聴けない曲なのだが、冷静に耳を傾ければ傾けるほどこれは画期的な楽曲だ。重いパンチを軽やかに間断なくかましてくるようなアンサンブル、一瞬のブレイクから突入するサビのとんでもない抜けっぷり。 [Alexandros]のバンド史上でもここまでの直球はちょっと思い浮かばない。それをよりクリアに伝えるのがカップリングの英語バージョン。これこそまさに「グラストンベリー」で鳴るべきキラーチューンだと思う。(小川智宏)

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