中でも、一年に一度七夕の日しか会うことのできない織姫と彦星の関係性をベースに、「一年ぶりに再会したら織姫がギャルいラッパーに変わっていた」という設定で作られた“織姫”での化学反応が白眉だ。イントロできれいに伸びていく透明感のある歌声を披露した直後にファンキーなラップパートに突入。それに加えて、織姫と彦星の男声パートと女声パートをもスムーズに歌い分け、一人二役どころか四役くらいやっている。
一方、アタック強めのビートが貫くテクノ曲“エジソン”では《踊るエジソン 自尊心/歌うエジソン ジソン心》というおまじないのようなフレーズを繊細な抑揚を宿しながら淡々と歌いこなす。この色とりどりのボーカリゼーションが今後どんな進化をしていくのか、とてもワクワクする。(小松香里)