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昨年12月にキノシタハルト(G)が正式加入し、理想とする4人体制での活動を本格始動させたCloudy。その新体制での初のリリース曲がこの“サミダレ”。フロントマンでありソングライターである小柴タケト(Vo・G)の歌、その個性の強いガナリの巻き舌は、矛盾や欺瞞に倦み疲れる世の中を蹴散らす武装なのだと思う。“サミダレ”では、やりきれない日々を止まない雨に喩えて歌っているが、一方で降り続く雨は命の営みであるとも読み解ける。そして「止まない雨はない」などと簡単に綴ったりしないのがCloudyらしくていい。その「止まない雨」=「人生」に対峙する覚悟、そのための武装がこの歌声なのだと、この曲を聴いて実感したのだった。じくじくと降りしきる雨は日々の憂鬱にも似るが、時にその雨音は無垢な清冽さで心を癒す。雨の中に何を見るか、何を聞くか、まるでそれを問いかけるように、小柴は叫ぶのだ。その歌は、聴く者の日々の心の叫びにも共鳴する。なんとなく、小柴タケトは現代詩人のようだとも思う。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年3月号より)
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