くるりへの手紙

くるり『くるり鶏びゅ~と』
2009年10月21日発売
ALBUM
くるり くるり鶏びゅ~と
くるりのデビュー10周年を記念した初のトリビュート・アルバムには、松任谷由実や奥田民生、曽我部恵一といった先輩ミュージシャンから、andymoriやanonymassといったニューカマーまで16組が参加。キセルや田中知之(Fantastic Plastic Machine)といった京都出身の顔ぶれも目立つ。中でも新鮮に感じたのは、サウンドはエレクトロなムードながら言葉のひとつひとつに柔らかな広がりを与えている、木村カエラによる“言葉はさんかく こころは四角”。そして、あまりヒネリを加えずにオリジナルのダイナミズムに直球勝負で挑んだ9mm Parabellum Bulletの“青い空”。全体的に、くるりへの憧れはもちろん、彼らの楽曲に対する強い愛情が、それぞれのアーティストの一番ピュアな部分を響かせているトリビュート盤。くるりの音から見えてくるひとつの景色に対して大切に応えながら、なおかつ、「こんな景色も見えたよ」と、追伸を添えてくれているような、そんな優しく清々しい1枚に仕上がっている。この10年、くるりのようなバンドはやはりくるりしかいなかったことも証明しているのでは。(上野三樹)
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