分かれ道、正しき道

サンシャイン・アンダーグラウンド『ノウバディーズ・カミング・トゥ・セイヴ・ユー』
2010年02月03日発売
ALBUM
サンシャイン・アンダーグラウンド ノウバディーズ・カミング・トゥ・セイヴ・ユー
ニュー・レイヴ後のUKダンス×ロック勢は、クロスオーバーという名の「中庸」に陥った自分達をリセットするように、ダンスかロック、そのどちらかの極に思いっきり振り切れる傾向が強いようだ。レイヴの極限の可能性を探ったハドーケン!もそうだし、逆にこのサンシャイン・アンダーグラウンドの場合はギター・ロックのフォーマット内でいかに踊れるかに力点を置いた、超充実のロック・アルバムを仕上げてきた。サンシャイン・アンダーグラウンドはそもそもニュー・レイヴが明文化される前からフロア対応のギター・ロックをやっていたバンドであり、本作はそんな彼らの本質がニュー・レイヴが終わった今こそはっきり見えてくる一枚だ。本作を支配しているのは、グルーヴである。UKロックに脈々と受け継がれてきたノーザン・グルーヴとラッディズムの互助効果を、マックスで試す場と化している。男泣きの叙情が歌メロに憑依して存分にダダ漏れるM1やM2、四つ打ちとぶっといギター・リフの噛み付くような応酬で聞かせるM4やM5、そしてグルーヴの遠心力から解き放たれて広がっていく大スケールのM7等、その所作に一切の迷いはない。このバンドはサバイブできるはず。(粉川しの)
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