ジョン・バトラー・トリオについては、過去フジ・ロックに2度出演を果たし、卓越したライブ・パフォーマンスによって、かなりの評判を集めている存在だとは知っていたものの、ちゃんと聴いたのは本作が初めて。豪州オーガニックもの、ジャム・バンド、ジャック・ジョンソン以降のサーフ系といった先入観があったのだが、実際それらのいいとこどり、みたいな内容で好感を持てた。

この3年ぶりとなる最新作では、ジョン・バトラー以外のメンバーに交代があり、ドラムスには、前々作『サンライズ・オーヴァー・シー』で叩き、前作『グランド・ナショナル』でもバック・ボーカルで参加していたニッキー・ボンバが復帰し、さらにベースにはザ・レイ・マン・スリーのバイロン・ルイターズが加入した新ラインナップでの録音。過去には、ライブに比べるとスタジオ録音はやや弱いとの評もあったらしいが、リフレッシュした空気が反映したのか、今回はバンドにとっても会心の出来になったようだ。

フジ・ロック出演も決定している。（鈴木喜之）