もがいている姿は美しい

福原美穂『ひまわり』
2008年07月16日発売
福原美穂 ひまわり - ひまわりひまわり
福原美穂の歌は、聴き手の心を鷲掴みにする。それは、彼女の日本人離れした、ソウルフルで、グルーヴィーで、太い、存在感のある歌声のためだけではない。彼女の歌には過去の悲しみや憂いをすべてプラスに変換するようなパワーがあるが、そのなかで圧倒的な魅力を放っているのは、必死に世界との繋がりをもがき求めている姿だと思う。その生々しさを孕んでいるからこそ、喜怒哀楽の感情がカラフルに輝き、聴き手の心にぴったりと寄り添ってくるのだ。

1stシングル『CHANGE』に続く本作は、小学校の頃に恋をした男の子への想いを綴ったというバラード。≪あれから夏が 何度か来て 花は咲いて枯れて 小さな恋を 何度かして 涙がたくさん出たよ≫ともう会うことのできない彼へのはちきれそうな想いを素直に綴り、≪君がいなくても 地球は回る 私にはある 「明日」がある≫という抗うことのできない現実を歌う。悲しみのなかでは、生半可な気持ちでは≪「明日」がある≫とは歌えないだろう。時々脆さも見え隠れするが、それに勝る、確実にそこにある「明日」を引き受ける覚悟と強さが、彼女にはある。(岡崎咲子)
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