それこそ横浜アリーナ公演での「tvkアンプラグド」パートを目撃した人なら、どこまでも鋭利でブルータルなサウンドでもって聴く者の心を掻き乱し燃え上がらせてきた9mm Parabellum Bulletの楽曲の主成分が、スピード感や爆発力ではなくメロディアスな旋律と緻密なアンサンブルである――ということを実感していると思う。そしてそのことは、ただでさえ狂おしいほどのドラマ性に満ちていた『Movement』最終曲“カモメ”にストリングスの調べをまとわせてさらにドラマチックの極点へと撃ち放った今作の“カモメ(Strings Version)”からも十二分に窺える。サビで広がる幽玄なる音世界も、凍てつく空気を切り裂くような滝のオクターブ・ソロを弦楽アンサンブルのコード感で照射して無限増幅させている間奏部分も戦慄必至。今の9mmの音楽的な「禁じ手のなさ」を自ら実証した快作だ。発売日直後の9月9日から来年1月9日まで期間限定の特別コンテンツにアクセスできるトリガー・ディスク仕様なのも含め、「音楽はここまで面白くなれる」を全方位的に体現しまくっている9mm。つくづく無敵だ。(高橋智樹)