孤高の音叉サウンド

ACIDMAN『ACIDMAN THE BEST 2002-2012』
2012年02月08日発売
ALBUM
ACIDMAN ACIDMAN THE BEST 2002-2012
前任のフロントマンが抜け現3人となって、オオキ(Vo・G)が作詞・作曲を手掛けるようになったころに書かれた“to live”の新録が収録され、8枚目のアルバム『ALMA』へと至るデビュー10年の軌跡(結成15年)が詰まった、ACIDMAN初のオールタイム・ベスト。

10年間の作品を聴いて感じること、そして改めて驚かされることは、ブレのない世界観だろう。時々のトレンドに流されず、叙情的であり、観念的、哲学的でもある歌の光景や空気、スピード感を音符に封じ込めた、真正のオルタナティヴ・サウンドを進化させているのはもちろん、最初期作“to live”からすでに求道者の如き問いや視点が描かれているのだ。自分の得意なこと、興味あることが、たとえば宇宙や生命といったことだったからだとオオキは語っていたが、果てしないテーマをも、沁み入るラブソングでも嘯くみたいに、すっと聴くものの心に流し込む音楽へ昇華しているのがACIDMANの特異性。壮大な景色を形づくる、あなたやわたしのかけがえのなさが見出される。じんわり込みあげる感動にじっくり浸かれる内容だ。(吉羽さおり)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする