地獄から天国まで響く声

レナード・コーエン『オールド・アイディア』
2012年02月22日発売
ALBUM
レナード・コーエン オールド・アイディア
オルタナ・シーンからの再評価を正面から受け止め、「アナルファックさせろ」と吐き捨てるように歌った92年の『ザ・フューチャー』から早20年、前作『ディア・ヘザー』からは8年ぶりとなるニュー・アルバム。この間、破産やら裁判やら何やらを経て、70すぎてからの出直しみたいな感じで精力的なワールド・ツアーを展開、ライヴ作品も2作ほどリリースして健在を印象づけていたとはいえ、こうして喜寿を迎えたレナード・コーエンの新作が聴けるとは、たとえ仏教徒でも思わず神に感謝したくなる。ハレルヤ~。
 
前2作はシャロン・ロビンソンとのコラボが目立っていたが、今回は、マドンナのプロデューサーとしても知られる実子のパトリック・レナードがプロデュース(※前作から引き続きアンジャニ・トーマスとエド・サンダースも参加)を手がけ、アルバム中の約半数のナンバーを書いている。ともあれ、あの漆黒より黒い歌声で「クレイジー・トゥ・ラヴ・ユー」(これはアンジャニのカヴァー) なんて歌ってくれるだけで失禁しそうだ。あとはもう、なんとか1度だけでも来日してもらえないものかと神に祈るのみ。アーメン。(鈴木喜之)
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