最も奇妙で親密(インティメット)なアルバムだ

マキシモ・パーク『トゥー・マッチ・インフォメーション』
2014年01月29日発売
ALBUM
ちょっと驚いたのは、タイトルが、30年以上前に日本のプラスチックスが発表した曲名と同じってこと。偶然とは思うが。マキシモ・パークの中心人物ポール・スミスは、かなりのレコード/音楽マニア。プラスチックスは70年代末にラフ・トレードUKから7インチ・シングルをリリースしたこともある。もしかすると……? いや、たとえば前作のプロデューサー、ギル・ノートンについて彼と話したとき、「ギルといえばピクシーズで有名。でもぼくはそれより、トリフィッズ(80年代のわりと地味めなオージー・バンド)のプロデュース・ワークが印象的」と言ったら「ぼくらは、まさにそれを望んだ!」と(笑)。

ワープを離れ2枚目にあたるこれは、満を持してのセルフ・プロデュース。ディアハンターやアニマル・コレクティヴを手がけたニコラス・ヴェルヌも制作にかかわっている。タイトルの印象どおり(?)エレクトロニック/ポスト・パンク的なノリが色濃い。そういう意味ではファースト以上だ。もちろん「情報多すぎ」というフレーズをはじめ、すべての面で「同時代」そのものってことは言うまでもなく!(伊藤英嗣)