深遠なるSAKANAMONワールド

SAKANAMON『INSUROCK』
2014年02月05日発売
ALBUM
SAKANAMON INSUROCK
メジャー1stアルバム『na』以降、2013年はライヴを重ね、シングルをリリースし、SAKANAMONを知らしめるべく突っ走ってきた彼ら。はみだし者を自認する藤森元生(Vo・G)の独り言や妄想が、ポップなメロディに乗って同じく肩身の狭い思いをする人にも、そうでない人にも伝播していく様は見ていて本当に清々しい。そうして伝わることは何より藤森自身に大きな力と自信を与えたに違いない。と、2ndアルバム『INSUROCK』を聴くと思う。それを象徴するのが《爪弾き者の僕等の様な/塵も積もって山の様だ/今タワーに成って届けよう》と歌う“TOWER”。自分の変態性を孤独に楽しむようだった藤森が、他者と手を繋ぎ、世界に向かっていこうとしているのだ。これは画期的じゃないか? しかも他の曲では頭の中の考えとか欲望について、前より濃くはっきり歌詞に描いている。懐を開いて、もっと聴き手と繋がろうとしているのかもしれない。キャッチーで外向きなシングル曲をフックにしながら、底はすっごい深い。聴くほどにSAKANAMONの世界にはまっていくはずだ。(小新井知子)
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