ROCKIN'ON JAPAN INTRODUCTION
[alexandros]

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川上洋平ソロで登場! メジャー初のシングルを解く!

今回は川上洋平ひとりのインタヴューである。彼らをして、普段から「夢」だの「ロマン」だのと騒いでいるJAPANだが、その大きなヴィジョンを支える根本の部分──つまり、[Alexandros]の楽曲について、今真正面からひもときたいと思っていたからだ。

川上洋平の楽曲は強い。思いの強さという強さは当然あるが、それ以上に、彼自身のあのヴィヴィッドな歌を前提に、その声で歌われることを前提に生まれてきた曲であるからこその強さが彼の曲にはある。飛翔するメロディがまさに川上洋平節の冴え渡りを感じさせる“ワタリドリ”、対極をなすローファイで人を食ったような洒脱さが痛快な“Dracula La”というメジャー初シングルの表題曲はいずれも川上洋平のエキスが凝縮された、過去最高の「確信」を感じさせてくれる楽曲だ。

川上洋平、そして[Alexandros]。その未来を支える彼の楽曲はどこから来ているのか。貴重なインタヴューになったと思う。

撮影=笠井爾示(MILD)

この曲はまずサビが最初からあって。♪ワ~タ~リ~ド~って。逆に「ワタリドリ」以外の言葉がなくて。そん時にタイトルにしちゃおうかなと。今回、歌った時に出てきた言葉をそのまま使いたいなと思って。じゃあ“ワタリドリ”でいいやって。したら意外とハマったんですよ、今のシチュエーションに(笑)

変な気負いがなくなって、どんどん自由になってるっていうのはあるかもしれない。上り詰めていくにつれてがんじがらめになる部分もあるんですけど、「こういう曲を作って欲しい」みたいな声が聞こえてくる中で、それをどれだけいい意味で裏切っていくかっていう。それが勝負だと思うから

小論文がすごい好きだったんで、これまでは歌詞の作り方がすごい小論文ぽかったんです。でもやめたんです、それを。きれいすぎるな、まとまってるなあと思ったから。じゃなくて「なんでここでいきなりこういうシーンが出てくんの?」みたいなほうが、逆に人間味があるなあと思って

やっぱりね、バンドで作ってる時って、1日中ずっと一緒にいて、その時にみんなで、話すわけですよ、いろんな夢をね(笑)。そりゃあ影響されますよね。「よし、じゃあお疲れ!」っつって家帰ってから歌詞書くと、もうそのままこういう言葉になるっていう(笑)

だから、[Alexandros]でしかない歌詞になってるんだと思います。パッて見た時に白井(眞輝/G)が一緒に口ずさんでたら、ああ、やっぱ同じ気持ちなんだなって思いますから。そこはバンドやってて、嬉しい瞬間でもあるから。そこは意識してますね。メンバーは一番最初のお客さんですから、僕にとって

(”Dracula La”は)すっげえいい曲だなと思って。超ポップだと思って。これはさっき言った、「言葉が自然に出てきたな」だけじゃなくて、全部最初っから出てきたから。なかなかないんです、こういうのって。僕ん中で一番新しいスタイル(笑)

ミュージシャンやめたくてもたぶん出てきちゃうから。俺、ほんとのこと言うと、趣味としては音楽より映画のが好きかもしれないんですよ。でも、音楽のが向いてるんでしょうね。音楽の場合は、嫌いになったとしても、出てくるから。一切曲が書けないってことはないですね

これで勝たないと意味ないかなって。だから、不器用なところもあるんですよ。うちらほかの部分では、めっちゃ器用だと思ってるんですよ(笑)。でも、核の部分はすごい不器用。それしか作りたくないから。だから出てくるのを待つしかない

続きは2015年2月28日(土)発売のロッキング・オン・ジャパン 4月号で!

ロッキング・オン・ジャパン
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