Hostess Club Weekender

  • 出演者
  • 2014/2/15(土): Mogwai / CHVRCHES / Daughter / Ásgeir / Errors
    2014/2/16(日): The National / Warpaint / Youth Lagoon / King Krule / Buke and Gase
  • 日時
  • 2014/2/15(土) OPEN12:45 START13:40
    2014/2/16(日) OPEN13:00 START14:00
  • 会場
  • 新木場スタジオコースト
  • チケット
  • 1日券 7,900円(税込/1ドリンク別)
    2日通し券 13,900円(税込/各日1ドリンク別)

――結構前からこのHostess Club Weekenderというイベントを始めたいと思っていたそうですが、いつ頃から考えていて、どんなイベントを思い描いていたのか、から教えてもらえますか?

「実際どういうフォーマットにするかってことに関しては、始まる前の年だったかな。僕達は、ホステスからリリースする作品については、アーティスト達が観客の前で演奏するのが重要だっていう信念を持っていて、そこから生まれたアイデアなんだ。でも、業界やビジネスが明らかに大きく変化してる中で、ちゃんとした形で、ごく初期の段階でアーティストを来日してもらうのが以前よりも難しくなってきている。けれど、そのタイミングを逃すと、火花が消えてしまうというか……口コミで噂が広まってワクワクするあの感じがなくなっちゃうんだよね。新しいバンドを観に行って、レコードが出る前に自分が最初の目撃者になった時ってすごく興奮するでしょ。自分はこの先起こることを全部体験するんだっていう。だからそれがなくなっちゃうと盛り上がらない。それでレコードの売上も落ちて活気もなくなってしまう。だからそれを何とかしたいっていうのが大きな理由だった。

もうひとつの理由としては経済的状況の変化。まず、実際に公演を打つには多額のお金がかかって、チケット代も高くなるから、いくつもライヴがあったら来る方だって金銭的にキツいよね、特に学生なんてさ。でもアーティスト達は多額の出演料を求めてくるし、日本に来てもらうのにも相当の費用がかかる。それで2日間で10組っていうコンセプトに辿り着いたわけなんだ。最後の理由として、多分これが一番大事なポイントなんだけど、10組のアーティストが出演するとなると、一見フェスティバルみたいだよね。でも、僕にとってフェスというのはいくつもステージがあって、ちょっと飲んでステージを10分チェックして、また別のアクトを10分くらい観るっていうもので。でもこのイベントはすべてが1つのステージ上で行なわれるんだ。それから大事なのは休憩があること。だから、リラックスして今観たものについて考える時間がある。そうやってゆったりと自分が思ったことを誰かに話したりしながら、次のものに期待するっていう。そういうフォーマットなんだよ。ありがたいことに、そこでは確かに違う空気が生み出されてる気がするし、リスナーがより深く関わってくれる感じがあるんだ」

――実際、Hostess Club Weekenderを始めてくださったことで、例えば2009年~10年にかけて素晴らしい作品をリリースしたヴァンパイア・ウィークエンドや、ディアハンターや、ダーティー・プロジェクターズといったUSのシーンの全体像をようやくパフォーマンスとして実感することができるようになりました。ああしたUSのインディ・シーンはどのような思いで見ていました?

「ええと……苦戦してるなあと(苦笑)。だから、このイベントにしても、ある朝、突然とんでもないアイデアを思いついて『よし、やろう!』っていう感じではなく、むしろ必要に駆られてやった部分が大きかった。おそらくこれはやらなくちゃダメだろうと。年3回、しかも継続的にやるなんて自分達にとっては大きな決断だったけど、でもこのままではあのシーンがどうなるかちょっと心配だなっていう。このイベントは、新作をどれだけ早い段階で提示して、いかに早い段階でみんなに関わってもらえるかっていうことが大事なんだけど、基本的にはそうしないとあのシーンが低迷してしまうだろうと思った。英語サイトが読めて海外の情報が手に入る人しかついていけないからね。ここ10年はそういう意味では不幸だったと思う。だから本当に必要だったというか、たとえお金がかかっても、死ぬほど大変でも、やるべきだったんだ」

――彼らには共通しているものがあるように思っていて、それはロック・シーン全体に影響を与えました。彼らが提示した新しいものって何だと思いますか?

「まず基本的に、どのバンドも並外れたアーティストだよね。共通してるのは、そこだと思う。どのバンドもオリジナルで、最高なんだ。あと、たぶんダーティー・プロジェクターズは興味深い例だと思うんだけど、彼らの場合、商業的な可能性ということで言うといろんな意味でヴァンパイア・ウィークエンドよりも低い。単純にヴァンパイア・ウィークエンドは気さくだし、音楽もポップだしさ。でも、僕にとってダーティー・プロジェクターズは現代における素晴らしいポップ・バンドなんだ。彼らは常に境界線にいる。でも、どうやって彼らの音楽を人に聴かせるかっていうのが問題なんだよね」

――今回ヘッドライナーとして出演するザ・ナショナルは、そうしたシーンの中心にいるバンドですが、彼らの見どころを教えていただけますか?

「ザ・ナショナルについて言えば、まず彼らは過去一度しか日本でやってないよね。確か2年くらい前のduo music exchangeだったと思うけど、その時はあっという間にソールドアウトになって、ものすごい数の問い合わせが来て、みんなどうにかして中に入ろうと会場の外に集まってさ。ライヴ自体も最高だったしね。あの時の彼らのパフォーマンスはもう本当に、ものすごくかっこよかった。というわけで、今回はとにかく前回よりも大きなステージを用意しようということで呼んだんだ。まあアメリカではアリーナ級のバンドだけどね(笑)」

――今回は、チャーチズ、アウスゲイルといったダブステップの空気を吸ったアーティストも出演しますよね。

「素晴らしいアーティストって徐々に進化していくし、それに伴い状況も進化していくんだよね。だから、ダブステップももはや特定のシーンどうこうではなくなって、また違う方向へと進んでいっている。例えばキーラン・ヘブデン/フォー・テットなんかも、フリッジから始まって、次はドミノで『Pause』みたいなレコードを出したりして、今はウェアハウス・プロジェクトでオールナイトのライヴをやってそこでトム・ヨークがDJしたりUKのアンダーグラウンドDJが集まってたりさ。たぶん彼は今そういうことがやりたいんだろうね。彼のそういう変遷を見ているとすごく興味深い。

だから、今回出演するアーティストにしても、極端な話こっちとしてはどれか嫌いだなって思うバンドがいるくらいの方がいいというか、その方が自然だし、より人生を反映していると思うんだよ。全部観終わって、『このアーティストは前から知ってて今日のライヴもよかった。こっちは微妙だと思ってたけど実際観たらすごい良かった。このバンドは今日初めて知った!』とか、とにかく観終わって何かを持ち帰ってくれたらいいと思うんだ。ヘッドライナーの大ヒット曲のサビを歌いながら帰るんじゃなくて、何か新しい情報だったり、これから生まれそうな新しいアーティストとの関係だったり、そういうものを手に入れてほしいなっていう。ていうか、単純にそのほうが楽しいと思うんだよ」

――ちなみに、今年のインディ・シーンでアンドリューさんが個人的に期待しているものを教えていただけますか。

「ああ。今後2~3ヶ月で結構新作が出てくるけど、なかには期待以上の、予想以上にすごいのがあるよ。セイント・ヴィンセントの新作はすごくいいしね。大きく前進したと思う。あと個人的にはここ1週間くらいずっとクラウド・ナッシングスを聴いてる。あれは素晴らしい。めちゃくちゃいいよ、次のレベルに達してる。たぶんいいもん作ってくるだろうなあとは予想してたけど、それでも実際聴かされると驚くよね。本当にいいレコードだよ。でも、今年はそういうのがたくさんあるんだ。あとベックの新作もそう。ベック・イズ・バック(笑)。願わくば、理想的には、今年のどこかの時点で彼に会えるといいなと思ってる」

――最初に経済的状況の変化というお話がありましたけど、音楽ソフトの売れ行きということでは難しい状況が続いていますよね。インディ・ミュージックを伝えていく上でのこれからの戦略というのはあったりされますか?

「一般論としては、音楽業界でも僕達が生息している領域というのは、ポップ・ミュージックの大ヒット曲がどうとかいうことではなくて、もっとオルタナティヴなカルチャーなんだよね。関わりっていう言葉が結構ポイントなんだけど、今はその部分が失われてしまっているというのがある。つまり10年前だったら渋谷のレコード店に行って単なる客としてカウンターにいるバイヤーと話して、その週末にどんなものがリリースされるのか教えてもらったりしていた。そこから試聴して、買って、雑誌でそのアーティストの記事を読んだりっていう一連のプロセスが始まってたわけなのに、それがある意味なくなってしまっていたんだ。

だけど、このイベントでは、週末にみんながショウを観て楽しんで、ショップの人と話してCDを買ったりしている。そこでちゃんと一周するっていう、それが僕達の目の前で起こっているんだ。だから今後の展望としては、超有名ポップ・アーティストと仕事をするとかそういうことだけは絶対にあり得ない(笑)。それは僕達のやっていることとは違うんだ。Hostess Club Weekenderにおけるシーン、それはわずか2千人くらいの規模ではあるけれど、この上なく活気に満ちていて興奮するものなんだ。すごく正直な、本物の反応が返ってくるから。僕にとっては、それが未来なんだよ。でも本当に会場でのポップアップ・ショップの売上はすごい。まあ、もちろんCDの価格設定を低く抑えてるっていうのはあるけどね。元々の音楽の売り方って、伝統的にはどこかに本社があって、そこから商品を小売店に卸して、その向こうにお客さんがいるから、直にお客さんと接することがないんだけど、ウィークエンダーでは直接やり取りしてる。

だからホステスの販売部の責任者達は、ショップをやり始めた時にこれはすごいって言っててさ。それまでお客さんからのフィードバックなんかなかったのに、そこでは直接反応が返ってくるからさ。会話を通して実際にCDを買う人、買わない人の反応が分かるのがすごくいいって。だから、音楽のクオリティが最も大事であるというコアな部分を見失うことなく、みんながより簡単にライヴに来られたり、音楽を買えたりするような努力さえすれば、うまくいくはずなんだよ。だから個人的にも……そのくらいかな。

というか僕は音楽業界ってところにそれほど興味がないんだ。もちろんある面では非常に興味深いと思っているし追いかけてはいるけれど、そうは言ってもねえ……(笑)。僕はもっと音楽の、自然で正直な面が好きだからさ。今、僕の目の前にディアハンターがヘッドライナーの時のポスターがあるから例に挙げるけど、彼らにしても実際ショウをやる前までは、どんなものが出てくるか、大丈夫なのか、まあまあいいのか、それとも素晴らしいものになるのか、たぶん誰も確信が持ててなかったんだ。あと全員ブラッドフォード・コックスが曲の合間にやる長い独白のことも頭にあったし(笑)。でも蓋を開けてみたらショウは最高だった。だから個人的には、そういうことが起こるのを可能にするような状況を整えることができたらいいと思っているし、ある意味それが僕達の仕事だと思ってる」

――ちなみにHostess EntertainmentがディストリビュートしているXL Recordingsはアデルの『21』の大ヒットもありましたが、常に面白いことをやり続けてますよね。彼らはどういう哲学でやってるんでしょうか?

「完全に、自分達のやりたいようにやってるよね。細かい部分を言えば色々あるんだけど、でも、結局は人なんだよ。すごく人間らしいというか。本当にやりたいようにやってるし、もちろんYoung Turksも同じ系列でカイアスもXLに関わっているから、本当にユニークで独自のスタイルを開発している。でも、よくよく考えてみるとXLが成功しているのは特に驚くべきことでもないんだよね。元々プロディジーの大ヒットという前例があるわけだし。もちろんアデルの2600万枚というのはすごいけど、でもそれに味をしめて大ヒット作をガンガン出して、そのあとはのんびり人生を楽しむかっていうとそれは違って、彼らは新しいアーティストを紹介することに力を入れてるからさ」

――あれだけ続けていく秘訣って何なんでしょう?

「ええと、じゃあダメなパターンを言おうか(笑)。もう何年も前にある会社と仕事をして、そこの人と話してた時に僕達はやりすぎだとか目標が高すぎるとか言われて、彼らとしては自転車に乗って走り出したらもう降りられないみたいな、ひとつの方向へと走り出したら真っ直ぐ進むしかない、そこから外れたら全部崩壊してしまうんだってことを理解してくれって言われたんだ。とにかくそのまま続けるしかないんだってね。つまりそれこそどう長く続けるかって話なんだけど、でもそれだと長生きする以外の目的が何もない状態なんだよ。目的を持つためには、同じことだけやってるわけにいかない。進化し続けなきゃいけないし、成長し続けて、リスクもたっぷり負わなきゃいけないんだ」

――では、最後にHostess Club Weekenderにいらっしゃる方へのメッセージをお願いします。

「ええと、実は、毎日20〜30通くらい、チケットありませんかっていう問合せのメールをもらうんだけど、残念ながらソールドアウトになってたりするので、チケットは早めに買ってください(笑)。もちろん様子を見てから買おうと思ってギリギリまで待っちゃうのは分かるんだけど、でもこのくらいの時期になると、僕達にもどうしようもなくて、ごめんなさいって言うしかないことが多くなっちゃうんだよ。あとは、Hostess Club Weekenderのいきさつというか、その目的みたいな部分を信頼してほしいっていうことかな。たとえ自分の知らないアーティストや有名じゃないバンドが出演してても、呼ぶだけの理由があるんだっていう。多くの人がザ・ナショナルやウォーペイント目当てで来るとしても、そのうちの誰かはキング・クルエルやビューク・アンド・ゲイスやアウスゲイルを持ち帰る。そういう発見をしてほしいんだ」

アンドリュー・レイゾンビー
(ホステス・エンタテインメント 創立者/代表取締役)

日本市場での独自のアイデンティティ確立を目指す厳選された海外アーティストやレーベルの、パッケージ及びデジタル商品全般の国内マネージメント、プロモーション、営業、マーケティング・サービスを展開するホステス・エンタテインメントを2000年に設立。ホステス・エンタテインメントはこれまでにアークティック・モンキーズ、レディオへッド、アデル、フランツ・フェルディナンドといったアーティストの作品をリリース。2012年2月には音楽イベント<Hostess Club Weekender>を開始し、2月15日&16日には第七回目となる<Hostess Club Weekender>を開催する。

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※アーティスト名をクリックすると動画に飛びます

モグワイ "The Lord is Out of Control"

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チャーチズ "Lies"

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ドーター "Still"

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アウスゲイル "Torrent"

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エラーズ "Grangehaven"

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ザ・ナショナル "Graceless"

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ウォーペイント "Love Is To Die (Official Audio)"

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ユース・ラグーン "Raspberry Cane"

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キング・クルエル "A Lizard State"

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ビューク・アンド・ゲイス "General Dome"

提供:ホステス

企画・制作:RO69編集部

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