挫・人間、いよいよ全国制覇を目指す!? 1stシングル『品がねえ 萎え』をボーカル・下川リヲが語る

挫・人間、いよいよ全国制覇を目指す!? 1stシングル『品がねえ 萎え』をボーカル・下川リヲが語る

レコーディングの歌録りの30分前に歌詞を全部ひっくり返してしまって、“品がねえ 萎え”という曲ができてしまったんです


――『緊急チンポジウム』(昨年、ライブ会場限定でリリースされた作品)を出したことはありますけど、全国流通盤のシングルは初ですね。

「そうなんです。今回は1stシングルということで、『緊急チンポジウム』のようなタイトルには、ならないようにしました」

――どんなことを考えつつ制作を進めました?

「シングルということを考えながら作りつつ、レコーディングの歌録りの30分前に歌詞を全部ひっくり返してしまって、“品がねえ 萎え”という曲ができてしまったんです。それなりの歌詞は用意してたんですけど、『気に入らねえ!』っていう気持ちになりまして」

――もともとはどういう歌詞だったんでしょう?

「恋愛の歌だったと思います。僕の記憶に残ってないくらいなので、『そりゃあ変えるわな』と(笑)」

――(笑)「シングルで描くんなら、やっぱりテーマはメジャー感があるラブだ!」みたいな感覚があったんですか?

「あったのかもしれないですね。不自然だと思ったので、30分間で自分の納得できるものを書いた結果、普段から言ってるような内容の歌詞ができてしまいました」

――耳当たりのいいことを言っているものに対する不信感、違和感がドロドロ渦巻いているのを感じる歌詞です。

「そういうものに、みんなちゃんと騙されますよね。『思ったより騙されるんだなあ』って感じてるんですけど」

――嘘っぱちだとわかってて騙される人もいるんじゃないでしょうか。わざと騙されて、ポジティブな自己暗示をかけることによって気が休まったりもするでしょうから。

「たぶんそうなんでしょうね。でも、僕にとってそれはNGだったんです。ほんとは僕だって甘い言葉を書きたいんですけど、現時点では僕のそうではない部分が出てしまいました」

――“品がねえ 萎え”の歌詞の一節《優しい奴はヤバい性癖を持っている》って、共感する人が少なからずいるはずです。

「僕は彼女にも言えない性癖を持ってるのが、『優しい奴』なんだと思ってます。30分で書いたこの歌詞を読んで、メンバーが爆笑してたので、『みんなが納得してるなら、これでいこう!』と思うことができました」

――「優しそう!」と評判の人気俳優とかも、実はプライベートでヤバい性癖を発揮している可能性がありますよね。

「果物とかを性的な対象にしてるはず(笑)。僕らは自意識過剰だから、独りだとそういうことができないんですよね」

――こういう「実は、そうなのでは?」ということに言及したり、負の感情を描きつつも、ユーモアを利かせて面白く提示できるところが、挫・人間の魅力です。

「ありがとうございます。笑えるほうがいいですからね。自分のドンヨリした部分をドンヨリとしたまま吐き出すんなら、今の時代、ブログでいいんで」


ドンヨリしたものを無理して嘘によってきれいにしなくても、キラキラさせることはできる


――僕、今回の取材の準備のために、ここ数ヶ月くらいの下川さんのツイッターを読み直したんですけど。

「恐ろしい(笑)」

――“天使と人工衛星”(2013年にリリースした1stアルバム『苺苺苺苺苺』に収録されている曲)について触れた時、「黒い感情をポップに昇華……みたいなの、不誠実で出来なかったのよねえ。でもきらめきにはできる」って書いていたんですよ。これって、現在にも繋がる挫・人間の本質だなと思いました。

「ツイッターで書いたことを、こうやって音声で聴くと恥ずかしいですね(笑)。でも、きっとそうなんだと思います。歌だったらできることってありますから。ドンヨリしたものを無理して嘘によってきれいにしなくても、キラキラさせることはできると思ってます。それが、僕らみたいな人間でもバンドを組んでる理由ではあるのかなと」

――そういう人間がやっている挫・人間のライブの動員が、最近、着々と増えていることに関して、どのように感じています?

「『大丈夫か、日本⁉』みたいな気持ちにもなりつつ(笑)。でも、嬉しい気持ちももちろんあります。僕は、ライブは楽しいだけじゃ嫌なので、ドロドロしたところも出してますけど、その結果、お客さんが増えてきたっていうのは、嬉しいことです」

――再びツイッターの発言を引用させていただくならば、「ぼくの居場所はインターネットだと思っていましたが、ロックバンドの現場はライブハウスよ。まってる」って書いていました。

「恥ずかしい(笑)。僕、インターネット出身というか、ずっと文字でしかコミュニケーションをしてこなかったですからね。ライブって人と向き合うコミュニケーションじゃないですか。僕らも剥き出しで演奏するので、お客さんも剥き出しで受け止めてくれるんです。そういうコミュニケーションを人生の中でしたことがなかったんですけど、体験してみると、結構幸せだったんですよね。だから『みんなも、もっとオフラインを体験したほうがいいよ』っていう気持ちになってます」

――最近、「カラオケで歌った!」というお客さんからの報告も増えているじゃないですか。

「前までは『今日もカラオケで挫・人間を歌って、友達を減らしてきました!』っていう『一体なんの勇気なんだ?』っていう報告を受けつつ、『ごめんな。でも、お前は正しい』って思ってたんです。でも、『“絶望シネマで臨死”をカラオケで歌って、友達が挫・人間を好きになってくれました!』っていうような反応をもらうようになってきてるんですよね。そういう風になるために意識してきたわけではないんですけど、変わってきたようです」

――先日、タワーレコードオンラインのJ-POPシングルのウィークリー予約チャート3位に挫・人間が輝いたのも、最近、何かが変わりつつある兆しだと思います。1位がMAN WITH A MISSION、2位が乃木坂46、3位が挫・人間……なかなかシュールな並びですが。

「その並び、明らかにバグってますねえ(笑)」

次のページ批判を喰らったりもすることが目に見えてるのに、やらなきゃいけないエネルギーって、ものすごく説得力があるんですよ
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