Seven Billion Dotsの1stアルバム『HOPE』はなぜ、ここまで雄大なロックのスケール感に満ちているのか

Seven Billion Dotsの1stアルバム『HOPE』はなぜ、ここまで雄大なロックのスケール感に満ちているのか
文=高橋智樹

すでに既発作品や“Stay With Me”(『GRANBLUE FANTASY The Animation Season 2』オープニングテーマ)や“Maybe I”(『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』エンディングテーマ)といったTVアニメのテーマ曲でその存在を知っている方も、あるいはAbemaTVの恋愛リアリティショー『オオカミくんには騙されない』でボーカル・Masafumiの存在を知った人も、Seven Billion Dotsの1stアルバム『HOPE』の痛快なまでに突き抜けるロックのスケール感には誰もが驚き感激することと思う。そういう作品だ。

ニューヨーク帰りのボーカル・Masafumi。そして、実の双子の兄弟でもあるギタリスト・Ken&ドラマー・Lyo。そんな3人が2018年2月に結成したSeven Billion Dotsは間もなく、フェス出演を懸けたオーディションを次々に突破して「SUMMER SONIC 2018」や「COUNTDOWN JAPAN 18/19」の舞台を経験。さらに、翌2019年には彼らの楽曲“春風”が、MBS『みんなの甲子園』&MBS・GAORA『第91回センバツ高校野球中継』のテーマソングに抜擢される。
そんな彼らの稀代のサクセスストーリーの原動力となっているのは他でもない、その楽曲自身が体現する「ロックのボーダレスなスケール感」のダイナミズムそのものだ。


Masafumiにとって、Seven Billion Dotsは「初めてのバンド経験」の場であると同時に「ロックという表現を批評し、自分自身のロマンを純粋培養する唯一無二のロックファクトリー」でもあった。メジャーデビューEP表題曲“Stay With Me”の邦楽ロック離れした目映い高揚感が物語る通り、そして何より「70億の点=世界の総人口」を表したバンド名にも象徴される通り、彼らの音楽は常に「世界に響く音楽」をまっすぐに希求するものだ。そのマインドは最新アルバム『HOPE』でよりいっそう高密度に極まっている。

“Stay With Me”や“Maybe I”など全11曲を収録した今作。英語も日本語も自在にカットアップしながら想いを綴るMasafumiのリリックもさることながら、The 1975サーティー・セカンズ・トゥ・マーズなどをバンドのルーツに挙げる3人が響かせる楽曲とサウンドデザインが「歌謡」とは明確に一線を画しながら、どこまでもエモーショナルな「歌心」を雄大なパースへと昇華してみせている――ということは一聴すれば明らかだろう。


《既読がついた LINE/放置プレイ 2日もそのまま》という身近な焦燥をハイパーなラウドロックに重ねた“Nightmare”も、90年代UKロックを思わせるバンド&ストリングスのオーソドックスなアレンジ越しに《もしもフィルムに二人だけなら/溢れんばかりの愛を映そう》と歌い上げる“もしもフィルムに二人だけなら”も、鳴り渡った瞬間に爽快なくらいにロックの地平を押し広げるバイタリティを備えている。

バンド結成からわずか3年、今なお目映いくらいの加速度とともに己の楽曲とサウンドを進化させ続けているSeven Billion Dots。「その先」の希望を鳴らすロックという表現の真価は、この困難な時代においてこそ発揮されるのかもしれない――という期待感を、この上なく高めてくれるアルバムであることは間違いない。


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