自分の気持ちを人に話すのがずっと苦手だったから、いつも夜空を見てお月様にこう思うんだ、って話しかけてたんですよ
――今後、あくびさんのパーソナリティがどんどん発揮されるでしょうし、音楽的なバックボーンをお聞きしてもいいですか?「いちばん最初の記憶だと幼稚園の時で、ミニモニ。、松田聖子ちゃん、Wink、キョンキョンとかアイドルが好きでした」
――ミニモニ。以外はあくびさんの世代からすると懐メロ番組で知ったんでしょうね。
「たぶん、そうです。そっから、中学生の時にラジオで気になった相対性理論と東京事変、それに付随して椎名林檎さんも知って。その3つは自分の意思で初めてCDを買いに行きました。高校生になると、友達の影響ですごくハマったのがレディオヘッドとスマッシング・パンプキンズ」
――時代を追って知ったような?
「というわけでもないんですけど、なんて素敵なんだろう、って。今は激しい音楽も聴くようになって、先ほどもお話ししたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。自分の心の中にはザック(・デ・ラ・ロッチャ)がいるんだ、って言い聞かせるように、ライブ前はいつも聴いてます」
――最近、お気に入りのアーティストはいますか?
「これもラジオの影響なんですけど、Creepy Nutsさんをめっちゃ聴くようになりました」
――あくびさんって、ラジオっ子?
「気づいたら聴いてるから、そうかも(笑)。学生の時は勉強しながら、今だと衣装を作る時とかに聴いてて。聴きながら手を動かせるじゃないですか」
――いつも聴いてる番組というと?
「『オールナイトニッポン』がめっちゃ多いです」
――オードリーとか?
「はい、リトルトゥースです(笑)」
――オードリーも武道館に立ってますからね(笑)。
「そうなんですよ(笑)」
――音楽以外で好きなモノは何かあります?
「ファッションかな。いろんな格好をするのも好きだし、ファッションウィークをいつもチェックして、刺激をもらってます」
――心の中にザックがいる、というお話もありましたけど、憧れるようなアーティストはいますか?
「誰かに、というのはずっといなくて。ただ、スターになりたいというのは強くあるんです。もし、あくびがスターになったら、信じてくれる人たちがそのことを誇りに思えるだろうし、自分自身もよかったなってなるだろうし。それこそ、スターになればそういう人たちにとって絶対に消えない、永遠の存在になると思うから」
――また、初めて作詞にも挑戦されたと聞きました。
「ちょっとまだ経験したことがない気持ちがあって。自分の心の中にあったモノを文字にして歌に乗せる。それが届くってどういう感じなんだろう、っていう」
――何かテーマはあったんですか?
「タイトルが“Over the moon”というんですけど、あくびの中でずっとお月様っていう存在がすっごい特別なんです。いいことも悪いことも……自分の気持ちを人に話すのがずっと苦手だったから、いつも夜空を見てお月様にこう思うんだ、って話しかけてたんですよ。ずっと付いてきてくれるし、いつも輝いてくれてて、あくびの憧れでもあるし。お月様を見てると理想とか夢見てるモノとか、そういうきれいなモノは絶対にあるから大丈夫だ、って思えるんです。そういう気持ちをいっぱい込めて書きました」
――5月16日のライブでも披露されるんですよね。
「します。新曲を用意して臨むので楽しみにしててほしいです」
自分がいちばん熱くなって、心を燃やして、魂を乗せて、っていうのを大切にしてます。どこまでいっても、それはなくしたくないなって
――ライブも目前に迫ってきましたが、今までと違う緊張感もあります?「あります(笑)。感覚みたいなモノが今までとは違うし。でも、すっごい楽しみだなという気持ちもあって。一つひとつと向き合って、どうなるかな、って」
――編成としてはあくびさんがいて、バックバンドがいて、という。
「ステージの上はそういう形になります。バンドの中で歌うのも初めてなので、またイチから、っていう。やっぱり、ゼロではないと思ってて。ゼロからイチは今までみんなで作ってきたモノがあるから」
――前体制のラストライブであくびさんがお話しされた「またライブハウスで会おう」という言葉が実現するわけですけど、MAD JAMIEにとってライブハウスは切り離せないですよね。
「MAD JAMIEもあくびもどんどん進化していくつもりではあるんですけど、あの空間はみんなにとってもあくびにとっても生き甲斐だし、大切な居場所になってたら嬉しいなって思うから。どこまでいっても切り離せない、切り離さないなって思います」
――いつもライブの時に心がけていることはありますか?
「自分がいちばん熱くなって、心を燃やして、魂を乗せて、っていうのを大切にしてます。どこまでいっても、それはなくしたくないなって」
――当日はこれまでのMAD JAMIEを踏まえつつ、これからの姿を見せていくような。
「そういう感じです。もちろん、今までの曲もめっちゃ大事にしながら、進化してる今の姿を見せるようにしたいし。新曲も用意してるので、そこもまた違った面を見せれると思います。MAD JAMIEっていうモノはまだまだ止まらずに突き進んでいくんだな、っていうのをJamieに強く思ってもらえるような日にします」
――しかし、チケットの前売りが1000円って安いですよね。
「確かに(笑)。みんなが来やすいように、まず1回観てほしいっていう気持ちが強いのかも。一歩目が踏み出しづらいかもしれないけど、1回入っちゃえばあとはもう仲間、っていう気持ちの1000円です(笑)」
――新体制が始まった2023年、そのライブ以降も予定がいろいろとあると思いますが、どんな1年にしていきたいと考えていますか?
「なんだろうな……抽象的になっちゃうんですけど、MAD JAMIEの名前や存在がより多くの世界に轟けばいいなって考えてて。たぶん、あくびは今できることを全力でどんどんやっていって、気がついたら1年が終わっちゃってる、っていうタイプなんですけど(笑)」
――活動のフィールドもより広げていきたい気持ちも?
「挑戦したい気持ちはあります。そうですね、もっと好きになってもらえるようになりたい。フェスにも出たいし、もっとたくさんの人に観てもらって、MAD JAMIEという輪をいっぱいいっぱい広げていきたいです」