FUMINORI、KEVIN、MORRIE、SEIYA、YUMA、SHOW、TAKUYA、HARUKI、FUMIYA、SHOOTが多彩なコンビネーションで繰り広げる歌、ダンス、ラップの切れ味がものすごい。楽曲制作やダンスの振り付けなどをメンバー自身が積極的に手掛けているのも目を引く。最新作の1stミニアルバム『UtopiiA』に収録されている5曲の内の3曲もKEVINによる作詞作曲だ。インディーズバンドにも通ずるBUDDiiSのDIY精神は、どのように育まれてきたのだろうか? グループとしての特色、活動に対する姿勢をFUMINORI、MORRIE、YUMA、HARUKI、FUMIYA、SHOOTが語ってくれた。
インタビュー=田中大
──結成から4年ですが、どういう経緯で始動したグループですか?自分たちがやりたいことをひたすらやりながら形にして、それをスタッフさんが認めて伸ばしてくれているグループです(MORRIE)
FUMINORI もともと僕とMORRIEとKEVINはPRIZMAXのメンバーで、解散することになった時に「またグループをやらないか?」というお声掛けをいただいたのが最初でした。
FUMIYA 新しいグループが始まることになった時、同じ事務所の練習生だったのが、その3人以外のメンバーです。
FUMINORI 具体的に「こういうグループにする」というのは決まっていなくて、半年くらいの期間を経てBUDDiiSが動き始めました。
MORRIE 今だから言えることですけど、僕は不安だったんです。PRIZMAXのメンバーのみんなはキャリアが長くて実力もすごかったので、僕はお兄ちゃんとして頼っているところがあったんですよね。練習生のみんながいる中で僕が年上となった時、「ダンスはそんなに教える立場ではないしな」とか思っていました。みんなをまとめてどういうグループにしていくのかのビジョンも見えていなかったです。初期は完全に手探りでした。
YUMA 僕とSEIYAは練習生だった期間がいちばん長かったんです。だからデビューできることになった時は嬉しかったです。
HARUKI 僕は入る前に先輩グループのONE N' ONLYのライブを観させていただいて、ステージに立つうえでの意識の高さの大切さを感じたんです。BUDDiiSのメンバーとして活動することになった時は、そういう意識を僕も持たないといけないなと思いました。
SHOOT 僕は練習生としてこの中で最後に参加するようになったんです。お兄ちゃん(MORRIE)の紹介で声を掛けてもらったんですけど、小さい頃から歌とかダンスをやっていた人ではなかったので、みんなについていくので必死でした。
──BUDDiiSの特色に関しては、メンバー自身で活動に必要な様々なことを手掛ける「DIYダンスボーカルグループ」という点が大きいですよね?
FUMINORI はい。今でもいろんなことを自分たちでやっています。
──最新作『UtopiiA』も収録されている5曲の内、3曲はKEVINさんの作詞作曲ですし、振り付けはFUMINORIさんとFUMIYAさんが中心になることが多いみたいですね。
FUMIYA はい。
──ヘアメイクは、MORRIEさんがやっているんですか?
MORRIE 前は僕がよくやっていたんですけど、今はヘアメイクさんに専属でついていただくようになりました。初期は衣装集めもメンバーがやっていましたね。衣装を新品で買うとお金がかかるので、予算の範囲で古着で探したりしていました。古くても衣装にすれば映えそうなものを見つけていたんですけど、古着はサイズがなかなか合わなかったりもして難しかったです。みんなの身長、ウエスト、足のサイズとかも把握しながら探して、1〜2日かかっていました。
FUMINORI スタッフのみなさんにも支えていただきつつ僕らからの意見もたくさん出しながら作っていけるようになったので、そういう経験は今でも大きいですね。
SHOOT 僕は結構メンバーたちに決めてもらって、流れに身を任せている感じですけど(笑)。
YUMA 僕もびっくりするくらい自分の意見を出さないです(笑)。
HARUKI でも、活動を重ねる中でメンバー同士の共通認識や、向かっていく方向のイメージが生まれているんだと思います。
FUMIYA 「意見を出さない」って言ってますけど、決定権をYUMAに委ねることはよくあるんですよ。
FUMINORI 楽曲の候補から選ぶ最終決断は、結構YUMAがしています。
YUMA 一昨年くらいに占いで「決断するのはYUMAがいい」って言われたんです。
FUMINORI その言葉に今でも従っています(笑)。
FUMIYA 最初はなんとなくのノリだったんですけどね(笑)。
──音楽面に関してKEVINさんの存在が大きいですよね?
FUMIYA はい。レコーディングの時のディレクションもしてくれるので、本当に頼りになります。
──「BUDDiiSは自分たちで作ってきたグループである」という感覚は、深まり続けているんじゃないですか?
MORRIE そうですね。自分たちで0から1にしてきて、1になったものをさらに突き詰めるようになっている感じです。今はありがたいことにスタッフさんがたくさんついて、支えていただいていますけど、最初に基盤を自分たちで作ったというのは自信になっています。スタッフさんに方向性を決めていただくのではなくて、自分たちがやりたいことをひたすらやりながら形にして、それをスタッフさんが認めて伸ばしてくれているグループです。
FUMINORI DIYは最初からずっとやっていることなので、変に意識することもなくこれからもその姿勢でやっていきたいです。
初心を忘れちゃいけないなとよく思っています。僕らなりにいろいろ模索しながら活動した時期があったのは、今となってはよかったのかも(SHOOT)
──みなさんの活動が始まったのが2020年。つまり、最初の2年くらいはコロナ禍の真っ只中だったということですよね?
FUMIYA はい。DIYになったのは、それも大きかったんだと思います。
FUMINORI 当時は不安もありましたけど、コロナ禍でも活動させていただけるありがたさのほうが大きかったです。
FUMIYA そういう時期を経てお客さんの前でライブができるようになって、声を出していただけるようにもなっていったので、コロナ禍が始まる前から活動しているグループよりも普通の形でできるありがたさを感じるようになったと思います。
SHOOT ステージからお客さんの顔が見える機会がない状況からのスタートだったんです。しばらく経ってから徐々に制約が解除されていったので、お客さんの歓声を聴きながらライブができた時は感動しました。初心を忘れちゃいけないなとよく思っています。僕らなりにいろいろ模索しながら活動した時期があったのは、今となってはよかったのかもしれないですね。
HARUKI 無観客の配信ライブとかをやらせていただくことが続いて、だんだんとお客さんの前でできるようになったんですけど、声を出していただけない時期も長かったんです。そういう時期があったからこそお客さんの前で表現できる楽しさを強く実感するようになったというのは、僕もまさにそうでしたね。
──手探りの日々を経て、先日の初の武道館公演2DAYS(9月6日、7日)に辿り着いたんですね。
FUMIYA はい。ほんとびっくりですね。武道館は僕らの目標でしたから。自動制御ペンライトも振っていただいたんですけど、「こんなこともできるようになったんだ!」と思いました。でも、ステージに立った時、「僕らの根本は変わっていない」というのも感じました。自分たちの根本が変わっていないからこそ、会場が大きくなって、応援してくださるみなさんがあんなにも広がったのを実感したというか。
──「変わっていない根本」とは、たとえばどのようなことだと思っていますか?
FUMIYA 周りのスタッフさんとかに協力していただきつつも、武道館公演の時も良くも悪くもわがままなところがあったというか。「これはやりたい」「これはやりたくない」というのがはっきりしているのがBUDDiiSなので、そこをきちんと踏まえて「僕たちがいいと思う公演」を作れたんです。変わっていない根本は、そこだと思います。ずっとやってきたことを大きいステージでも変わらずにできて、それを受け取ってくださるみなさんがあんなにもたくさんいたのが本当に嬉しかったです。
──他のみなさんは、武道館でどのようなことを感じましたか?
MORRIE 僕は憧れのアーティストのみなさんの武道館の映像を観ながら「めっちゃいいなあ!」ってずっと思っていたんです。でも「いつか武道館に立ちたいです」とか言いながらも、現実味がない感覚もあったんですよね。武道館が決まってからも現実感がないままでしたし、2日間は楽しくてあっという間に過ぎていきました。いろんな映像を観返したりしながら全体を俯瞰して、そこで初めて「本当にあそこに立っていたんだな」と実感できるようになりました。
YUMA ダンサーの一人ひとりのソロがあったりとか、武道館は挑戦もたくさんあったんです。ファンのみなさんからいただいたメッセージとかを読むと、「武道館でやれてよかったな」と実感します。すごく喜んでいただけたのを感じましたから。
HARUKI 目標としていた武道館を成功させられたのが嬉しいです。メンバーそれぞれがここからさらにどう成長していけるのかが楽しみですし、来てくださったみなさんにもそういう期待も感じていただけたライブだったのかなと思います。
SHOOT コロナ禍の時期にデビューした僕らが、あそこまで来られたんですよね。なかなか想像がつかなかったことなので、今でも夢だったかのような感じがあります。支えてくださったみなさんへの感謝の気持ちでいっぱいですし、反省点も踏まえながら次に繋げていきたいです。初心を忘れないで周りにいる仲間と一緒に駆け上がっていきたいです。
FUMINORI ファンのみなさんの存在の大きさを感じた武道館でした。やはりBUDDiiSはファンのみなさんがいてこそなので。メンバーの一人ひとりをフィーチャーすることもできて、「この10人のBUDDiiS」というのも今まででいちばんお見せできたと思います。