植田真梨恵@LIQUIDROOM ebisu

植田真梨恵@LIQUIDROOM ebisu
「アルバムを発売してから今日まで、ずっとドキドキしていました! やっとこうしてみなさんと、ひとつの空間でこの曲たちを一緒に楽しむことができて、とても幸せな時間を私も過ごさせていただいています」……開演早々からアグレッシヴに弾ける植田真梨恵の熱唱と、この日を待ち焦がれた彼女自身の万感の言葉に、フロアから熱い拍手が湧き起こっていく。2月25日に発売されたメジャー1stアルバム『はなしはそれからだ』を携えて、東京・名古屋・福岡・大阪の4都市を巡るワンマン・ツアー「植田真梨恵LIVE TOUR 2015『はなしはそれからだ』」の初日:東京・LIQUIDROOM ebisu公演。自分自身に背かず、現実から逃げず、真っ向勝負で立ち向かう彼女の歌と姿そのものが、その表現に触れる者にとっての何よりのエールとして機能していく――そんな植田真梨恵というアーティストの在り方を真っ直ぐに伝えてくる名演だった。 [※以下、一部演奏曲目についての記述があります]

植田真梨恵@LIQUIDROOM ebisu
植田真梨恵@LIQUIDROOM ebisu
“彼に守ってほしい10のこと”“ザクロの実”といったシングル曲をはじめ、最新アルバム『はなしはそれからだ』の楽曲群を約2時間のステージの軸に据えつつ、ミニアルバム『退屈なコッペリア』(2008年)/『U.M.E.』(2009年)/『葬るリキッドルーム』(2010年)やフルアルバム『センチメンタルなリズム』(2012年)といったインディーズ作品からの楽曲も網羅したこの日のアクト。ギター/ベース/ドラム/キーボードのバンド編成での躍動感あふれるアンサンブルと競い合うように自身もギターをかき鳴らしながらパンキッシュなヴォーカルを響かせたかと思えば、時に晴れやかなメロディラインで満場のクラップを誘ったり、ヴァイオリン奏者を加えてヴァイオリン/ピアノ/植田アコギの3人編成で“コンセントカー”を伸びやかに披露したり、深くリヴァーブを効かせた歌とアコギのシンプルなアレンジで編み上げる“昔の話”の音像がフロアを濃密なヴァイブとドラマ性で満たしたり……といった具合に曲ごとに色彩感豊かな世界を描き出しながら、日々進化を続ける彼女の「今」をどこまでもリアルに映し出していく。

植田真梨恵@LIQUIDROOM ebisu
植田真梨恵@LIQUIDROOM ebisu
「インディーズでずっと活動を続けてきて……メジャー・デビューになって、よりたくさんの人たちと出会いました。みなさんが真っ直ぐに頑張れるような想いを、私自身が覚えながら歌えるような、そんな歌を書いていきたいなと思っていて」と観客に語りかけていた植田。「全然頑張れない時も、誰のせいにも何のせいにもせずに、自分自身が動いていくことでパワーに変わったらいいな、と思って作った曲」という紹介とともに歌い始めたのは“支配者”。《この世界で私を動かすのは私だけ》という決意表明が、自身の少女時代からの「夢」と今この瞬間の「現実」をひとつの壮大なパースに収めるように強く、美しく響いていた。

植田真梨恵@LIQUIDROOM ebisu
忘れ得ぬ想いを清冽なピアノ・ロックに重ねた“ザクロの実”。ドラマチックなハード・ワルツ的ナンバー“a girl”。「手拍子の練習!」とフロアをクラップの渦に巻き込んだアッパーなロックンロール・ナンバー“泣いてない”……カラフルに炸裂するサウンドと言葉のどれもが、ひたむきに邁進する彼女の情熱そのものとして鳴り渡っていた。ツアー次回公演は3月21日(土)、愛知・名古屋CLUB UPSETにて。(高橋智樹)
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