ももいろクローバーZ/東京ドーム

ももいろクローバーZ/東京ドーム - All photo by HAJIME KAMIIISAKA + Z All photo by HAJIME KAMIIISAKA + Z

●セットリスト
overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
10th Anniversary Opening Theme
1. Z伝説~ファンファーレは止まらない〜
2. マホロバケーション
3. BIONIC CHERRY
4. ザ・ゴールデン・ヒストリー
5. ココ☆ナツ
6. DNA狂詩曲
7. 桃色空
8. DECORATION
9. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
10. ゴリラパンチ
11. 全力少女
12. 労働讃歌
13. コノウタ
14. 笑ー笑 ~シャオイーシャオ!~
15. 吼えろ!
16.『Z』の誓い
17.青春賦
(アンコール)
ENCORE OVERTURE
En1. 今宵、ライブの下で
En2. クローバーとダイヤモンド
En3. あの空へ向かって


「ももいろクローバーZ 10th Anniversary The Diamond Four -in 桃響導夢-」というタイトルを掲げた、グループ史上初の東京ドームでの単独公演。10年間の活動から生まれた様々な曲を一気に披露した前日に引き続いて行われた23日の公演のチケットはソールドアウト。会場内にはスタート前からすさまじい熱気が漂っていた。そして、開演を告げる“overture ~ももいろクローバーZ参上!!~10th Anniversary Opening Theme”が流れた瞬間、轟いた地鳴りのような歓声。何本もの火柱が上がり、ステージに登場した百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、高城れにが、最初に届けてくれたのは“Z伝説~ファンファーレは止まらない~”。全力で歌って踊る4人の姿は、10周年を迎えたももクロが、さらに前進する意思に満ちていることを鮮やかに示していた。

ももいろクローバーZ/東京ドーム

序盤から連発された強力なナンバーの数々を聴きながら興奮を露わにしていたモノノフ(ファンの愛称)の一体感が、とても素晴らしかった。彼らが掲げて揺らしたカラフルなペンライトの光も、このライブに欠かせない演出の一部であったと言っても過言ではないだろう。メインステージの中央部が4人を乗せてせり上がり、アリーナにいるモノノフの頭上をゆっくりと移動した“ココ☆ナツ”の時の盛り上がりは一際激しいものとなった。《コココ コーコ コッコッコー》とトランス状態になって熱唱する人々の上をステージが浮遊する様は、まるで光の海の上を旅する空飛ぶ絨毯。とても幻想的な風景を作り上げていた。

ももいろクローバーZ/東京ドーム
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“行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-”を披露した後、メンバーたちは一旦ステージ上から姿を消した。そして、バックバンド「ダウンタウンももクロバンド」によるインストナンバーの演奏を挟んで、後半戦は“ゴリラパンチ”からスタート。1月に卒業した有安杏果がメインボーカルを務めていたこの曲が、佐々木の歌を主体とした形で届けられ、モノノフは興奮を露わにしていた。そして、その直後に蝶野正洋が率いる新日本プロレスのユニット「TEAM 2000」が登場してびっくり! 天山広吉、小島聡、AKIRA、ヒロ斎藤と一緒に現れた蝶野は、ももクロの4人に「世界を笑顔にするだと? 本当にそんなことできるのか? お前らの決意がどれほどのものか確認したい。誰か代表を決めろ! 闘魂ビンタだ!」と詰め寄った。ダチョウ倶楽部へのリスペクト感じる「私がやります!」、「いや、私がやります!」、「いや、私がやります!」、「じゃあ私が!」、「どーぞ! どーぞ!」というメンバー同士のやり取りの末に選ばれて、「世界に笑顔を!」と言って怯えながら目を閉じた百田。しかし、ビンタはしないで、優しく頭をナデナデした蝶野……という展開は、大喝采を浴びた。

ももいろクローバーZ/東京ドーム
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そして、意表を突く出来事は、さらに待ち構えていた。“全力少女”、“労働讃歌”、“コノウタ”が披露された後、真っ白のスーツを着た松崎しげるが“愛のメモリー”を熱唱しながら登場。歌詞の一部をアレンジして発表されたのは、ミュージカル『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?』へのももクロの出演決定。2015年に彼女たちが主演した映画・舞台『幕が上がる』を手掛けた本広克行が演出を務めるのだという。「本当に綺麗になったよねえ」と優しく微笑んだ松崎は、メンバーたちを祝福。そんな心温まる場面を経て、“笑一笑 ~シャオイーシャオ!~”、“吠えろ!”、“『Z』の誓い”が届けられ、本編のラストは瑞々しいピアノの伴奏で4人が合唱した“青春賦”が飾った。

ももいろクローバーZ/東京ドーム
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アンコールを求める声に応えてステージに現れた4人は“今宵、ライブの下で”、“クローバーとダイヤモンド”、“あの空へ向かって”を披露。そして、感無量の表情を浮かべた彼女たちは、各々に想いを語った。「10年前の自分に『こんなにたくさんの人に愛されるんだよ。もっと自信を持って進んで行っていいんだよ』って言いたいです。私たちは強くなって、みんなに恩返しできるような立派なアイドルになります!」(高城)。「ここまでももクロをやってきてよかったなって、すごく思いました。これからも日本中に胸を張って誇れるような私たちでいたいです。15周年とか、20周年とか、どんな形になるかわからないけど、笑顔で迎えられたらいいなと思ってます」(佐々木)。

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「“あの空へ向かって”を歌ったところから10年前にももクロはスタートしました。いろんなことがあったけど、何が欠けても今のももクロはなかったです。これからどんなももクロが見れるのか私たち自身も楽しみだし、みなさんにも楽しみにしてもらいたいです」(玉井)。「いい人ぶると、みんなが笑顔になる理由が私たちじゃなくてもいいと思うんです。でも、ちょっと欲を言うと、その理由が私たちだったらいいなって思います。もっと笑顔を届けて、たくさんの景色を見られるようにみんなと歩いて行けたらいいなと思います」(百田)。

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今年の1月に行われた5人体制でのラストライブの時、高城が「ついて来い!」とモノノフに言ったのを見て「かっこいいな」と思いつつも、自分には言えなかったという百田は、「今、4人で東京ドームでのライブを迎えて、今なら自信を持って言える気がします」ということもMCで語っていた。そんな彼女が最後に放った「お前ら全員ついて来い!」という力強い言葉は、ももいろクローバーZがますます魅力的なグループとなっていくことを誓う爽やかな宣言となっていた。(田中大)

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