でんぱ組.inc/日本武道館

でんぱ組.inc/日本武道館 - All photo by チェリーマンAll photo by チェリーマン

●セットリスト
1.太陽系観察中生命体
2.ギラメタスでんぱスターズ
3.VANDALISM
4.バリ3共和国
5.プレシャスサマー!
6.まもなく、でんぱ組.incが離陸致します♡
7.でんぱれーどJAPAN
8.わっほい?お祭り.inc
9.ピコッピクッピカッて恋してよ
10.電波圏外SAYONARA
11.Kiss+kissでおわらない
12.でんぱーりーナイト
13.くちづけキボンヌ
14.あした地球がこなごなになっても
15.FD3,DEMPA ROCKET GO!!
16.キラキラチューン
17.エバーグリーン
18.でんでんぱっしょん
(アンコール)
EN1.絢爛マイユース
EN2.WWDBEST
(ダブルアンコール)
WEN1.Future Diver


夢眠ねむのでんぱ組.inc卒業公演はどこまでも夢眠のアイドル愛、オタク愛、そしてでんぱ組.incへの愛が溢れたライブとなった。1月6日、7日に行われた「でんぱ組.inc コスモツアー 2019 in 日本武道館」。2018年4月からスタートした「コスモツアー」の集大成的なライブであるその中から7日に行われた「夢眠ねむ卒業公演~新たなる旅立ち~」の内容をレポートする。

開演前から武道館の周りには夢眠の衣装を着てコスプレをしている人や、夢眠がプロデュースするキャラクター「たぬきゅん」グッズを身にまとっている人など、いつものでんぱ組.incのライブ以上に目に飛び込んでくるミントグリーン率の高さに、しんみりとした卒業式というよりは「お祭り感」が漂っていた。

昨日の武道館ライブから少しだけ変えてもらった、というセットは大きなペンライトを模した部分に「DMPA」ではなく「NEMU」と書かれていたり、たぬきゅんが顔を出していたりと卒業公演仕様。オープニング映像が流れると、UFOがステージに着陸し、煙が上がる中からメンバーが登場。生バンドによる演奏で1月1日に発売されたばかりのアルバム『ワレワレハデンパグミインクダ』収録の新曲“太陽系観察中生命体”からライブはスタートした。

でんぱ組.inc/日本武道館
コミカルなダンスと「変なの!」コールが楽しい“太陽系観察中生命体”を歌い終えると、このライブ最初のMCへ。「今日の主役でーす!」と叫ぶ夢眠。でんぱ組.incとして最後の自己紹介が行われた。

今日はとにかく自分がやりたい曲をセットリストに入れてきた、と夢眠。前半からアッパーな曲が続く。中でも、常々でんぱ組.incの中で好きな曲として挙げていた“VANDALISM”を3曲目に披露。歌い出しの夢眠のパート《最近ヤなこと多すぎデス》から始まり、怒りをパワーに変えたようなパフォーマンスで魅せ、「怒り納め」が出来たとMCで笑いながら語った。

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“でんぱれーどJAPAN”では曲の最後で他のメンバーが倒れ、センターで古川未鈴が一人立ってポーズを決める振付を、この日は夢眠が奪い自分がポーズを決め、観客からは笑いと歓声が響いた。すると、メンバーはステージを後にし、会場のスクリーンには武道館の楽屋が映し出される。「一回あれやってみたかったんだよねー。最後だし」と先ほどの振付を振り返るなど、わいわいがやがやとしたでんぱ組.incの楽屋を一人夢眠が出ていくとそこは自身が働いていた秋葉原ディアステージの中。夢眠が懐かしそうにこれまでを振り返る中、ディアステージでライブをしている姿など夢眠ねむとでんぱ組.incの歴史が映像で映し出される。衣装を変え、ステージに戻ってきたでんぱ組.incはここから結成当初の5人時代の楽曲を立て続けにメドレーで披露。“電波圏外SAYONARA”では元メンバー跡部みぅのパートを根本凪が担当。藤咲彩音はこの楽曲を踊るのが念願だった、と語った。また、“Kiss+kissでおわらない”が夏曲メドレーの1曲ではなく、フルで歌われたのもレアな選曲だったといえるだろう。「私がやりたかったのはこれでした!」と夢眠が語った通り、今回の武道館ライブでとても大きな意味合いを持つこのパートが、生バンドではなかったのも当時を再現してのことだったのだろうか。

でんぱ組.inc/日本武道館
ライブは終盤に差し掛かり、しっとりとした胸に響く楽曲が続く。“くちづけキボンヌ”から“あした地球がこなごなになっても”の2曲では古川が歌の途中で涙を見せる場面も。会場のスクリーンに度々映し出される古川の涙に、その胸中を考えてしまい、こちらまでもらい泣きさせられそうになったのは筆者だけでないだろう。

生バンドに戻り、“Future Diver”の続編に当たる新曲“FD3,DEMPA ROCKET GO!!”を披露。“キラキラチューン”ではいつにも増して間奏のファンによるコールや、最後にメンバーが駆け寄って集合写真のようにポーズを決める振付がグッとくる。卒業曲である“エバーグリーン”を歌い終えると夢眠は自身のメンバーカラーである「ミントグリーン」をもらってほしい人が居ます、と切り出した。そして、2017年末に加入した緑色担当の根本の名前を挙げると「ミントグリーンになってくれませんか」とお願い。根本が力強く「はい」と答えミントグリーンは受け継がれた。自身の名前を襲名制にしたい、と語ってきていた彼女だったが、夢眠に憧れてアイドルになり、1年間共にでんぱ組.incとして活動してきた根本に正式に「ミントグリーン」の精神が引き継がれた瞬間だった。

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“でんでんぱっしょん”で本編を締めくくると、会場からは割れんばかりの「ねむきゅん」コールが。バンドメンバーがステージに戻ると新曲“絢爛マイユース”のイントロが鳴らされアンコールがスタート。「もう一つの卒業曲」とも取れるこの曲の最後では、音源とは違い、夢眠がセンターに立ちソロで披露。他のメンバーがたくさんの花吹雪を舞わせて卒業を明るくお祝いしているような演出だった。《月並みだけど「ありがとう…」/その先はまた今度ね/今まで過ごした全部が/私の宝》と歌詞がスクリーンに映し出される中、ソロで歌われたこの時ばかりはこの楽曲がアルバムの1曲を超えて、夢眠からファンへのお別れの言葉のように聴こえた。古川から花束が渡されるとメンバーたちにも涙が。古川が「寂しい」と語りながらも、「でんぱ組.incになってくれてありがとう」と伝えると、夢眠もファンに向けて「でんぱ組.incの一員になれて本当に良かったです。みんなのおかげで幸せでした。ありがとうございました」と最後のメッセージを伝えた。そして、「一番大好きな曲」と語り、夢眠がアイドルとして最後に歌うことに決めたのは“WWDBEST”。2017年1月に同じく武道館で披露し、最上もがが脱退して以降は歌われていなかったこの楽曲が現メンバーで歌われるとは想像していなかったファンも筆者含め多かっただろう。曲名を告げると大きな歓声が上がった。アイドル夢眠ねむが最後に歌った歌詞は《夢で終わらんよっ》だった。

でんぱ組.inc/日本武道館
歌い終え、マイクを使わず地声で「ありがとうございました」と7人で叫びステージを後にすると、再び「ねむきゅん」コールがミントグリーンのペンライトと共に武道館に響き渡る。ステージ下手から歓声に応えて出てきたのは、ペンライトを持ち法被を着たオタク姿の夢眠だった。「元でんぱ組.incの夢眠ねむです」と挨拶すると、「6人のでんぱ組.incを一緒に応援しよう」とステージ下手の端に。「コスモツアー」のオープニングSEが流れ、改めて6人となったでんぱ組.incがステージに登場。5人時代から歌い継ぐ“Future Diver”を古川未鈴、相沢梨紗、成瀬瑛美、藤咲彩音、根本凪、鹿目凛からなる新体制として初めて歌った。ミントグリーンを受け継いだ根本が夢眠の印象的だった大サビ前のフレーズ《夢は終わらんよ》を堂々と自分流に歌い切った姿に、未来に続く次のでんぱ組.incが見えた気がして感動を覚えた。「初めてでんぱ組.incのライブ観た! 面白いね!」と曲中もペンライトを振って応援していた夢眠はこう語り、ファンとでんぱ組.incのライブ会場で会うことを約束。笑顔で手を振ってステージを去っていった。

でんぱ組.inc/日本武道館
3月で芸能活動を終了してからは、本屋さんを開くことと、「たぬきゅん」のプロデュースをしていくという。この卒業公演もミントグリーンの引き継ぎ、最後に6人のでんぱ組.incを登場させる、というしっかりと未来をファンに見せるライブとなった。最後の“Future Diver”で6人が並ぶ姿に凄くわくわくさせられたし、夢を叶えていく姿をこれからも見せてくれると期待が膨らんだ。でんぱ組.incは3月から東名阪ツアーが開催されることを発表。アイドルとしての人生を完璧に終えた、オタクの夢眠ねむと共に、でんぱ組.incのこれからを楽しみにしたい。(菊智太亮)
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