MY FIRST STORY「男祭り!2019」/Zepp DiverCity(TOKYO)

MY FIRST STORY「男祭り!2019」/Zepp DiverCity(TOKYO) - All Photo by TAKASHI KONUMAAll Photo by TAKASHI KONUMA
MY FIRST STORY「男祭り!2019」/Zepp DiverCity(TOKYO)

●セットリスト
SE S・S・S
1.WINNER
2.LET IT DIE
3.ALONE
4.Missing You
5.終焉レクイエム
6.M.A.D
7.失踪FLAME
8.ブラック・スワン
9.君のいない夜を越えて
10.monologue
11.虚言NEUROSE
12. REVIVER
13.絶対絶命
14.ZeroGravity
15.MONSTER
16.不可逆リプレイス
17.ACCIDENT
18.モノクロエフェクター
19.Someday
20.With You

MY FIRST STORY「男祭り!2019」/Zepp DiverCity(TOKYO)

2018年2月25日の仙台公演以来となる男性限定ライブ「男祭り! 2019」——こういった企画は番外編的な立ち位置となりがちだが、むしろ今のMY FIRST STORYを最も色濃く体現する場のひとつとなった。つまり、めちゃくちゃ素。Hiro(Vo)の佇まいにしても、Teru(G)、Nob(B)、Kid'z(D)のやんちゃなプレイぶりにしても、観客がラフな問いかけを投げそれにメンバーが応える、フロアとの言わばボケとツッコミの関係性も、MCの文字通り素っ裸な内容も(=下ネタ、ということまでしかとても書けません笑)……バラードなど一切ない灼熱の狂騒空間において、ふとした瞬間に溢れる一場面が、とても人間らしい煌めきを放ち、「生きてくってこういうことだよなあ」と感じさせてくれるものだった。

MY FIRST STORY「男祭り!2019」/Zepp DiverCity(TOKYO)
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メロディには、矛と盾がある。2016年、アルバム『ANTITHESE』までの、日本武道館公演までの彼らは、前者で突き刺すのみだった。乱暴な書き方かもしれないけれど、Hiroの生きる意味や歌う意味を叩きつけるためのものが、MY FIRST STORYのメロディだったと思う。でも『S・S・S』という1枚を経た彼らは、(自分自身さえ裏切ってしまうこともある、弱い自分を含めた)すべての人間を認め、守り、ともに生きていこうというHiroの盾としての意志、プレイヤーたるエゴをアンサンブルへ昇華させるメンバー3人の実力を、開花させ始めた。右ストレートの打ち合いじゃなく、ヤバいときはガードして、ジャブやフック、アッパーを織り交ぜれば、ここぞで持ち味が生きてくる。そこで試されるのが真価というヤツだ。で、この日のMY FIRST STORYは、ロックバンドとして、ひとつの音楽体験として、ただただ純粋にカッコよかった。

MY FIRST STORY「男祭り!2019」/Zepp DiverCity(TOKYO)
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なんてことは「STORYTELLER TOUR 2019」などでも充分伝わっていて、生きてきた人生を叫ぶんじゃなく、その瞬間の生き様をそのまま鳴らすってことが今のMY FIRST STORYなわけだけれど、それがより浸透してきた感がある。オープニングの“S・S・S”、“WINNER”、“LET IT DIE”よりオーディエンスとともに激アツ盛り上がりを創出、Hiroは次々押し寄せるクラウドサーファーとガッチリ拳を合わせていく。“M.A.D”、“失踪FLAME”、“ブラック・スワン”の流れも頼もしい。TeruとNobが自然とKid'zに近寄り、笑みを浮かべながら音を重ね合わせる場面など、たまらなかった。ノーMCの後半、“monologue”~“不可逆リプレイス”までの、エンジンメーターを振り切ったところからさらにブーストしていく感じ、“ACCIDENT”でフロアを横に揺らす感じなど、バンドとしての確かな地力が証明される。ラストは《笑い合って 泣き合って 最後の日まで》と叫ぶ“With You”で締めくくり。その最終局面で、「せっかくの男祭り、お前らにひとつだけ伝えて帰るよ。俺たち男ってのはさ、アホな生き物でいいと思ってんだ。でもな、男ならどんなに辛くてもどんなに苦しくても、大事だって思ったもんは死んでも守り抜け。お前らのことは、俺が死んでも守ってやる。その数が多ければ多いほど人生は潤う。俺の人生は最高だよ、こんなに守るもんがあるからな。一緒に生きてこうぜ!」とHiroは言ったのだった。(秋摩竜太郎)

MY FIRST STORY「男祭り!2019」/Zepp DiverCity(TOKYO)
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