ブライアン・ウィルソン、新作やパンク・ロック、「生涯で一番楽に書けた曲」を語る

ブライアン・ウィルソン、新作やパンク・ロック、「生涯で一番楽に書けた曲」を語る - ブライアン・ウィルソン『ノー・ピア・プレッシャー』発売中ブライアン・ウィルソン『ノー・ピア・プレッシャー』発売中

先週新作『ノー・ピア・プレッシャー』をリリースしたブライアン・ウィルソンはパンク・ロックについて、名前さえ知らなかったことを語っている。

ブライアンは自身が精神を病んで立ち直っていく過程を描いた伝記映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』の欧米での公開を近くに控えており、日本でも8月1日(土)に公開予定となっているが、新作とこの映画についてのザ・ガーディアン紙のインタヴューに応じ、さまざまな話題について雑談風に答えている。

映画について訊かれるとブライアンは「ぼくの暗い時期を描いてるんだ。観てて落ち込んじゃったね。話のところどころではしんどかったよ。二度観たけど、もうこの先は観ないかもしれない」と語っていて、観客に伝わってほしいのは「ぼくの人生やぼくが経験してきたことの真実だよ」と説明している。

その一方で今度の新作制作は時間がかかった方なのかという問いにはサウンドを完璧にしたかったので時間はかかったと語っていて、「気持ちのいいサウンドがほしかったんだよ。爽快でやわらかい感じのね。だから、ロックじゃなくてソフト・ロックだね。ぼくのアルバムはロックンロールじゃないから」と説明している。

また、若かった頃の自分の作品を聴き直すとどういう感情をかき立てられるかという質問には次のように答えている。

「悲しみだね。最大の形の悲しみだよ。ぼくの人生は部分部分で悲しいものだったんだ。でも、今72歳なのも嫌だね。とにかく嫌だよ。昔ほどエネルギーが絞り出せないからね」

では、自分の頭の中ではいくつくらいの気持ちなのかと問われるとブライアンは「40歳」と答えている。また、2002年にイギリスで開催されたエリザベス女王即位50年記念ガラに出演した際、エリザベス女王の姿に感激したブライアンは思わず「ヘイ、女王!」と声をかけるという珍事を起こしているが、この時の心境については「(女王がそこにいることが)ぼくには信じられなかったんだよ。いると知って『なんだって!?』って思って、それでつい叫んじゃったんだ。なにも返事はなかったけど」と振り返っている。

さらにパンク・ロックについてはどう思うかという問いには「それって知らないんだけど。パンク・ロック? パンク? なんなの、それ?」と問い返し、1976年頃に盛り上がった、大音量でアグレッシヴな音楽ムーヴメントだと説明されると、「ああ、そう。そういうのを聴きたいと思ったことはないんだ。速い音楽は好きになったことがないんだよ。ぼくはミディアム・テンポくらいが好きなんだ。スペンサー・デイヴィスとか、好きだったな」と答えている。

自分の生活リズムについて訊かれると、毎日規則正しく過ごして、数時間ピアノに向かっていることを明らかにしているが、最近ではエネルギーが足りなくてなかなか曲がまとまらないとこぼしている。逆に生涯で一番楽に書けた曲はなにかと訊かれると次のように答えている。

「"神のみぞ知る"は45分で書いたよ。ぼくとトニー・アッシャーでね」

──でも、その曲は音楽史上最も偉大な曲のひとつとなったわけですよね。

「ぼくの一番好きな曲なんだ。自分の曲のうちではね」

──2002年にポール・マッカートニーと共演した時もこの曲でポールは涙ぐんでいましたね。

「うん。すごいもんだろ?」
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