ザ・ビートルズが68年に訪れたインドの瞑想道場、現在は草深い巡礼地に

ザ・ビートルズが68年に訪れたインドの瞑想道場、現在は草深い巡礼地に

ザ・ビートルズが1968年に滞在していたインドのリシケシュにある瞑想道場が現在では荒れてしまい、すっかり草木に覆われてしまっていることが明らかになっている。

ビートルズはマハリシ・マヘシュ・ヨギの主宰する超越瞑想の教えを乞うため、1968年にリシケシュにあった道場を訪問し、滞在中に修行に励むほか、作曲にもいそしんだといわれている。この年にリリースされた『ザ・ビートルズ』(ホワイト・アルバム)の収録曲はほぼこの時期に書かれたもので、ほかにも各自のソロ作品となる楽曲も多数書かれたとされている。

リンゴ・スターとポール・マッカートニーは早々にこの道場から引き上げてしまい、その後、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンも引き上げたが、ジョンの場合には同じく瞑想修行に参加していた女優ミア・ファローがヨギにかどわかされたという噂を聞きつけてヨギに対して強い反感を抱くに至ったことで知られている。この説は、ビートルズの事務所兼レーベルだったアップルのサウンド・エンジニアで、ヨギのメンバーへの影響力を疎ましく思っていたマジック・アレックスことアレックス・マーダスのでっちあげだったともいわれていて、その一方でヨギからの資金提供の要請にビートルズ側が折り合わなかったことが決裂の原因ともされている。さらにビートルズとその取り巻き一行が道場で酒と薬物をたしなんでいたことでヨギの怒りを買ったため、一行は立ち去ることになったともいわれている。

その後、ヨギはこの道場を放棄し、すっかり現地は荒れてしまっていることをBBCが伝えていて、現地を訪れたというスーティック・ビスワス記者は「現在の道場はやや薄気味悪い遺跡となっています」と説明している。

「藪や深い木立の陰から黴や汚れに覆われた石造りやコンクリートの建物が顔をのぞかせるという様子です。この敷地は国立公園の中にあり、敷地内には象が1700頭生息していて、ほかに虎や豹なども生息しているといいます」

ただ、それほど荒れてもここを訪れるビートルズ・ファンは絶えないそうで、とあるファンはビスワス記者に「ここはビートルズ・ファンにとっては巡礼地なんですよ。世界中からのファンがここを訪れているのです。わたしも家族全員を連れて来るはめになりましたよ」と語ったという。また、地元の住民は「神さまたちはいなくなったかもしれませんが、帰依している人たちが今もたくさんいらっしゃいますね」と語ったそう。

現在のリシケシュ道場はこちらから。
http://www.bbc.com/news/magazine-32509156

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