ケンドリック・ラマー、グラミー賞での11ノミネート獲得に「すべて受賞したい」と語る
2016.02.09 21:19
2月15日に行われる第58回グラミー賞授賞式で、今年最多となる9部門11ノミネートを獲得しているケンドリック・ラマーは「全部門で受賞したい」と語っている。
ケンドリックは受賞に向けて年末からの取材攻勢にもしっかり応えているとビルボード誌は伝えていて、授賞式に臨む抱負について「全部受賞したいから」と語り、その理由をこう説明している。
「(受賞は)俺個人の問題じゃないんだよ。グラミー賞について振り返ってみると、結局、最優秀アルバム賞はローリン・ヒルとアウトキャストしか受賞してないんだよ。だから、今回受賞したら、ヒップホップ・カルチャー全体にとってものすごくでかいことになるんだよ」
ケンドリックは一昨年のグラミー賞でも『グッド・キッド、マッド・シティー』とその収録曲などが数部門で受賞作品候補に挙がっていたが、結局、軒並みマックルモア&ライアン・ルイスに賞をさらわれることになった。一部からはこの結果を疑問視する声も上がり、マックルモア自身からケンドリックに詫びが入るという事態になったことでも知られている。しかし、この時のことをケンドリックは次のように振り返っていて、今回の授賞式にかける自信についても匂わせている。
「(2014年に無冠で終ったことは)あれが俺の最高傑作で、あれ以上の作品はもう自分には作れないとわかってたら、きっと俺も腹を立ててたと思うよ。確かに『グッド・キッド、マッド・シティー』はすごい作品になったと思うけど、俺の最高傑作じゃないんだよ。その点『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』はすごいんだ。それがどういうふうに繋がっていったかっていうことで言ってるんだよ。『グッド・キッド、マッド・シティー』もいろんな人たちに繋がっていったけど、『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』はさらに大きな繋がりを生んでいったんだ」
「このアルバムは俺の予想を超えたインパクトをもたらしたわけで、というのもいろんな家庭でなにかを訴えることになったからなんだ。俺が育ったようなコミュニティーの家庭でだけっていうことじゃなくてね。だから、今の時代に必要とされている言葉を俺はたまたま語ることができたっていうことなんだろうね」
また、青少年への支援活動をめぐってオバマ大統領と直に面会したことについては次のように語っている。
「最近の世間の俺への見方っていうのは、実際に会う前の俺のオバマ大統領についての見方に似てるんだよ。ある立場にまで行った人物も、そもそもただの人間なんだっていうことを俺たちは忘れがちなんだよね。でも、大統領が自分の一番好きなレコードを俺に面と向かって明かした時、この世界でどんなに高い地位にまで上ったとしても、人はただの人間なんだなって俺は理解したんだよ」
ただ、大統領についてそれ以上のディテールについてケンドリックは固く明かしていないとか。