星野源が『オールナイトニッポン』で語った“Family Song”MVの解説を掲載!

今回のミュージックビデオで思うのは、ソウルミュージックというものをコンセプトにした時に、例えば、モータウン的な演奏をして、モータウンの方がやっていたようなステージ的なものをそのまま持って来たりとか、服装とかも真似て、例えばVHS3倍速みたいな、3倍で録画したみたいな映像を劣化させるみたいなのをやっちゃうと一番ダメなんですよね。それだと過去しか見てないことになってしまうので。俺、日本で育ってずっと小さいころから家族っていうものは何となく、漠然とあのイメージだったっていう、その『サザエさん』っていうものをモチーフにしてるんだけど、今日本で一番最先端を走っている吉田ユニというアートディレクターがつくる世界の中に、その家族ってものを入れることによって、過去をリスペクトした今というものを出来れば表現したかったというものがあります。あのセットってめちゃくちゃすごいじゃないですか。全部建て込んでますからね、CGは一個もないんですよ。あそこで使ってない家具・食器がめちゃくちゃいっぱいあるんだよね。すごいんですよ、手間が。縁側の土のところに出てくる雑草みたいなのも全部ピンクで、すごいこだわりなんですよ。本当にすごくて感動したんですけど。もっと言うと、僕がさっき言ってた60年代末~70年代頭のソウルミュージックっていうものを今に表現したいって言いましたけど、『サザエさん』のアニメの放映年は1969年なんですよ。どんぴしゃなんですよ。そのテーマソングであるあの“サザエさん”って曲、筒美京平さんが作った曲を改めて聞くと、完全にソウルとモータウンの影響を受けてるんです。同時代性があるんですよね、そこに。
ということは、僕が聞いてたあの《お魚くわえた ドラ猫~》のあの曲って、拍子は日本人的に頭でとってる感じに直してるんですけど、アレンジは確実にモータウンの影響を受けてるんですよ。俺達、日本人がそもそもモータウンの影響を日常として摂取してて、俺達の空間の中にすでにブラックミュージックがあるんだっていうことをすごく思ったんです。それってすごく面白いなっていうか、ということはこのミュージックビデオってすごく奇をてらっていないんですよ。すごく真っ当なつくりをしていて、俺もみたかったし、皆も見たかったんじゃないかなと思う。どこかで見たことがある風景(笑)。そして、今回ドラマの主演でもある高畑充希ちゃんにもう1度出て頂きたい、そしてやはり藤井さんともう1度仕事したいみたいな(笑)。本当に藤井さんこのためだけに来てくれたんです、本当にすばらしい。皆、本当に家族感っていうか、ファミリーだと思ってるところが画面に出てて、いろんなことが全てつながるアイデアがあれだった、そういうミュージックビデオになっております。是非、皆さん本当にすごい楽しく作ったし、ゾクゾクしながら作りました。曲もゾクゾクしながら作ったんですが、ミュージックビデオもゾクゾクしながら作ったし、皆もそういう表情していたんですよね。制作過程で、「これやばいの作っているな」っていう、なのでそういうところも含めて、星野源オフィシャルYouTubeチャンネル“Family Song”是非観て頂きたいなと思います。 



なお、新曲“Family Song”は、ドラマ『過保護のカホコ』主題歌となっており、ミュージックビデオは公開24時間で135万再生を突破。シングルとして8月16日(水)にリリースされる。
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