ニュー・アルバム『コンクリート・アンド・ゴールド』を9月15日にリリースしたばかりのフー・ファイターズだが、メタリカのラーズ・ウルリッヒが司会を務めるApple Musicのラジオ「Beats1」の番組「It's Electric!」にデイヴ・グロールが出演。2012年に米長寿番組「Saturday Night Live」でゲスト司会を務めたミック・ジャガーのバック・バンドを務めることになった経緯を次のように明かしている。
携帯にいきなり(番組プロデューサーのローン・マイケルズから)連絡が来たんだよね。それで『今シーズンの最終回分を仕込んでるんだけど、実は司会がミック・ジャガーなんだよ』って言うんだよ。で、『すごいピリピリしててさ。司会とかやったことがなくて、これが初めてなんだよ。しかも、ザ・ローリング・ストーンズは今なにも活動してないから、ミック用のバンドが番組でどうしても必要になってね……それで、君らにバック・バンドをやってもらうのなんてアリなのかなあって思ってさ』って言われて。
すぐに『もちろんアリだよ、いつ?』って、日を教えてもらって、パソコンでスケジュールを確認したんだけど、ニュージャージーの海岸でライブがあってね。それで『ちょっとその日は用事が入ってたんだけど、それをキャンセルしてすぐに折り返すから』って伝えたんだ。
そのまま(マネージャーの)ジョン・シルヴァに電話を入れて、『ローン・マイケルズが俺たちにミック・ジャガーとセッションやれって言ってるんだよ』って伝えたんだけど、案の定『その日ライブがあるじゃん』って言われて。『もういいんだよ、そんなの! ミック・ジャガーなんだぜ!!』って逆ギレしたんだけど、ジョンは『この日のライブをなしにすることはできないから』の一点張りでさ。
もうギャラを貰っちゃったんだかなんだか知らないけど、俺も『これは絶対に譲れない』って引き下がらなくて、結局ヘリコプターを導入することになったんだ(笑)
The Rolling Stones - Bitch
デイヴはさらに、この日「Saturday Night Live」で演奏したザ・ローリング・ストーンズの楽曲についても秘話を明かしている。
ミックとサウンド・チェックして、ヘリを使って会場へ行って、2時間半のライブをやってまたヘリで戻って、それから番組でのジャム・セッションをやって、その後、今度はシーズン終了の打ち上げパーティーをやって……。なんかほら、スケート・リンクがあるとこ、あそこでやったんだけど。そこでいきなりさ、シェヴィ・メタル(フー・ファイターズのドラムのテイラー・ホーキンズのメタル・カバー・バンド)としてなんかやってくれませんかってムチャ振りされてさ。『マジかよ!? 』っていうね。
だから、その日はニュージャージーで3時間弱のライブやって、それから「Saturday Night Live」に出演して、朝の2時半から今度は打ち上げパーティーでも演奏するわけだよ。だけど、これがまたマジですごくてさ。“Bitch”と“Miss You”もやったからなんだけど。その2曲をやる前、それとなくミックに聞いてみたんだよね。『“Bitch”とか歌ってもらえないっすかね、俺たちと一緒に』ってさ(笑)
そしたら『まあ、成り行き次第で』とか言われて、そのままパーティーが始まっちゃってさ。現場でもう一回ミックに『ミック・ジャガー様、お願いしますよ』なんて拝み倒したら“Bitch”をやってくれてね。これがまた凄いのなんの。しかも、俺たちの演奏だとあのオリジナルのリフをつま弾く感じじゃなくて、かき鳴らして叩きつける感じだから、これがいたく気に入っちゃったようでさ。
ミックがあまりにもノリノリでお客さんもみんな大盛り上がりで、ミックが歌い終わったらそのまますぐ“Miss You”の演奏に入ったんだよ。ミックがステージから降りないように(笑)
The Rolling Stones - Miss You