グラミーを主催のNARAS、過去6年の女性のノミネーションが9.3%との報道に「正しくは17%」と反論

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「#MeToo」や「Time's Up」といったセクシャル・ハラスメント糾弾運動が活発に行われていた中で開催された第60回グラミー賞だが、主要部門での授賞を叶えた女性アーティストはアレッシア・カーラ1人のみだった。

こうした結果を受け、「The New York Times」など復数のメディアが、過去6年間でグラミー賞の最終ノミネートを受けた女性アーティストが全体の9.3パーセントのみであることを指摘。

この「9.3パーセント」という数字は今年のグラミー賞を語る上で頻繁に取り上げられ、レコーディング・アカデミー(NARAS)の会長、ニール・ポートナウが授賞式後に発した「(女性には)もっと頑張りが必要だ」という主旨の言葉を受けて音楽業界の女性重役らが発表した会長辞任要求の声明の中でも、グラミー賞の性差を指摘するために使用されていた。

しかし今回、レコーディング・アカデミーがこれに対する声明を発表。この「9.3パーセント」という数字は誤りで、正しくは「17パーセント」なのだと述べている。

「Variety」によると、ポートナウ会長はまず「全部で84部門ある中の5部門でしかパーセンテージを計算していない」ことを指摘し、84部門すべてでは最終ノミネートを受けた女性アーティストが17パーセントになるとコメント。

加えて、最終ノミネートを受けた女性アーティストのパーセンテージをカテゴリー別にも明らかにしており、最優秀新人賞は36パーセント、最優秀楽曲賞は21パーセント、最優秀レコード賞は8パーセント、最優秀アルバム賞は6パーセント、そして最優秀プロデューサー賞(クラシック音楽以外)は0パーセントであるとも述べている。

声明ではこれに続いて「では、この数字が表す意味とは?」との前置きのもと、「こうした統計結果のみでは音楽業界の全貌を表すことはできない」との主旨のコメントに続いて、「(第60回グラミー賞の後設置した)特別委員会で行っている新たな試みを数週間以内に発表する」ことも明らかにした。

NARASではポートナウ会長の「(女性には)もっと頑張りが必要だ」との発言のあと殺到した批判の声を受け、「業界内での女性の前進を妨げる無意識な偏見」などを乗り越えるための特別委員会を設置し、対策を講じるとの発表をしていた。

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