同コンサートでは、プリンスのリマスターされた未発表の音源や映像が体験でき、約7000人のファンが会場に集まったとのこと。会場の一角となるフェンスにはファンからプリンスへのメッセージの数々が掲載されたという。
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コンサートは現地時間の8時20分にスタート。紫のコスチュームを身にまとったホーン・セクション5人を含むバンド・メンバーが登場。メンバー紹介こそなかったものの、ザ・ニュー・パワー・ジェネレーションに在席していたメンバーが中心となっていたようだ。
コンサート・タイトルのように、ステージ中央の大スクリーンにプリンスが映し出されてライブはスタート。サブ・スクリーンはステージ右左にも設置されていた。“Let's Go Crazy”、“Delirious”、“1999”といった曲を惜しげもなく、ステージ上の生演奏に合わせて、プリンスは熱唱してゆく。スクリーンのプリンスが「Clap Your Hands（手を叩いて）」といえば、オーディエンスは手を叩き、プリンスが手を左右に振れば、オーディエンスも手を左右に振る。
Photo by Paisley Park Studios/Steve Parkeコンサートの中盤では、マイケル・ジャクソンの“Don’t Stop 'Til You Get Enough”を歌うプリンスが見られた。プライベートではマイケルとプリンスは親しかったということだが、これは驚きの選曲。
この日のハイライトは、ザ・ニュー・パワージェネレーションに在籍していたシェルビー・Jがオーディエンスに「“私たちはプリンス愛してる”って聞かせて、プリンスのレガシー、人生を祝いましょう」と語りかけ始まった“Nothing Compares 2 U”。サプライズ・シングルとして配信になったばかりの同曲は、シェルビーが生前のプリンスとステージでデュエットしていたため、その映像がスクリーンに流れ、また実際のステージ上でも、生バンドに合わせてデュエットが行われ、とても感動的だった。
さらに、ピアノの弾き語りライブをするプリンスの珍しい映像も流され、“The Beautiful Ones”、“Diamonds And Pearls”という至極のバラードも披露された。コンサートの終盤は“KISS”で盛り上がり、そして誰もが待ち望んでいた最後の曲に向けて、紫のスモークがステージを包み込む。
Photo by Paisley Park Studios/Steve Parke生前のプリンスが使っていたと思われるラブ・シンボルのマークを施したマイク・スタンドが、この曲のためにステージ中央に置かれる。バンドの奏でるイントロに続き、スクリーンのプリンスが“Purple Rain”を熱唱し、紫の紙吹雪がオーディエンスの上から舞い、2時間10分のコンサートが終わりを告げた。
今回のライブだが、全編にわたってスクリーンのプリンスが歌うというのは、正直想定していなかった。おそらく数曲はそういった趣向があるものの、プリンスゆかりのミュージシャンや豪華ゲストがプリンスの楽曲を演奏すると思っていたからだ。結果的には、プリンス・ファンが大変満足できるライブになったと思う。まさにこのコンサートを見る限り、プリンスの魂は今もミネアポリスにあると感じさせられた。
Photo by Paisley Park Studios/Steve Parkeなお、シニード・オコナーに提供したヒットナンバー“Nothing Compares 2 U”のプリンス自身によるオリジナル・スタジオ音源は現在配信中だ。
