ジェイムスとうまく仕事ができたのは、ミキシングに必要なのは技術的なことじゃなくて、良いアレンジだという点で同意していたことにあると思う。正しいサウンドが並び合っていればミックスも簡単だ。でも間違った音が並んでクレイジーな場合は、技術に頼らざるを得なくなってくる。スタジオでの判断基準はすべてどうアレンジするべきか、だった。
音楽的な視点でのミックス作業で、それこそ僕が必要としているものだった。彼が助けてくれたことにとても満足してるよ。ジェイムスはノッてくるとキーボードも演奏してた。いつも彼がどの曲を気に入ってるかお見通しだった。一番好きな曲の順に作業をするからどれが一番気に入ってるかがわかる。とてもシンプルだ。
そういえば最後の曲名が決まってない時、ジェイムスは“The End”にしたらどう?なんて言ってたな。シンプルだからこそ本当に天才なんだね。僕の場合は複雑にしてしまう。自分で決めた最後の曲のタイトルにはとても満足してるけどね。彼はとても自然で、アイディアを複雑にし過ぎたりしないんだ。
そして彼は最高のキーボードプレーヤーだ。テクニカルではなくて、エモーショナルなキーボードプレーヤーで、ゴスペルのキーボードプレイヤーとクラシック音楽のピアニストの間だと思う。彼が弾き始めると、時間と空間がなくなって、とてもプライベートな場所へと向かう。
彼の表現は思考から開放されていて、音はそのまま彼の中で起こっていることが表現されている。デレク・ベイリーのような即興演奏者やフリージャズピアニストのようだ。才能がありすぎて音の配置を気にする必要がないんだよ。とっても稀有な存在で素晴らしいことだ。音楽とは何かということに気づかせてくれる。
つまり音楽とはアイディアではなく、人から出てくる直感のようなものなんだ。人生を生きる中でこういう瞬間はよくある。楽器を使っている時もとても存在感があって、インスパイアされるね。
『Age Of』の詳細は以下。
●リリース情報
『Age Of』5月25日(金)発売
国内盤CD BRC-570 定価:¥2,200+ 税
国内盤CD+Tシャツ BRC-570T 定価:¥5,500+税
プレオーダーは以下より
●トラックリスト
1 Age Of
2 Babylon
3 Manifold
4 The Station
5 Toys 2
6 Black Snow
7 myriad.industries
8 Warning
9 We'll Take It
10 Same
11 RayCats
12 Still Stuff That Doesn't Happen
13 Last Known Image of a Song
14 Trance 1(日本盤ボーナス・トラック)
9月の来日公演の詳細は以下の記事より。