My Hair is Badの新曲“次回予告”を聴いて、マイヘアは何を突き破ったのか?

My Hair is Badの新曲“次回予告”を聴いて、マイヘアは何を突き破ったのか?
9月24日放送のラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』にて、11月7日(水)にリリースされるMy Hair is Badの新作音源『hadaka e.p.』より、1曲目に収録される“次回予告”が初オンエアされた。

今作は昨年11月にリリースされたフルアルバム『mothers』以降、彼らにとって約1年振りとなる新作。その間も自身初のホールツアーや日本武道館公演を完遂するなど飛躍的に邁進し続けている彼らが放つ新曲に期待が高まりまくっていたのだが、3人はこちらが想像していたずっと先へと進んでいたようで、今回の“次回予告”を聴いて「あぁ、完全に突き破ったな」と思ったし、こんな素晴らしい曲でその意志を明示してくれたことが単純に嬉しかった。

My Hair is Badの核と言っても過言ではないのが「歌詞」なのだが、そこに対しての魅力は勿論のこと、フレーズの組み方や言葉の配置(特に最後の歌詞の置き方が秀逸)なども含めて「メロディ」部分の良さが圧倒的に映えていることにまず驚いた。ロックバンドとしてスピード感や勢いを持ったサウンドでテンションを身体ごとブチ上げるでも、壮大なバラードでしんみりとした感動をもたらすでもなく、心地好いテンポのミディアムチューンを1曲目にしたところから垣間見えるバンドの自信もそうだし、「これからMy Hair is Badはこうなっていきたい」という指針をしっかりと音で見せられたような気持ちになってワクワクした。リアルな恋愛事情を歌い鳴らして多くの人を惹きつけたバンドだからこそのイメージ=殻はあったはずだし、それを破ることはこちらが思うよりもずっと怖いことだと思う。けれど、多少なりとも葛藤を抱えながらも「歌いたいことを歌いたい、鳴らしたい、My Hair is Badを前進させていきたい」という思いで、特にメジャーデビュー以降は率先して「変化」を選んできたのが彼らだ。そして結成10年目を迎えた彼らがこのシングルで提示したかったのは「変わっていく」ことなのではなく、「変わりながら進んでいく」ことなのだろう。

My Hair is Badはこれからもっと面白くなる――まだ1曲しか公開されていないが、数分間からでもそんな確信が抱ける曲だった。11月7日のリリースが心から楽しみだ。(峯岸利恵)
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