これまで廃盤となっていた1995年以降の入手困難なプリンスのオリジナル・アルバム全23タイトルが、CDおよびアナログ盤として発売されることが決定しているが、その第一弾として、『ミュージコロジー』(2004年)、『3121』(2006年)、『プラネット・アース~地球の神秘~』(2007年)の3作品が2月8日にリリースされた。
『ロッキング・オン』3月号では、この3タイトルの内の1枚、『3121』を仕上げたばかりのプリンスの姿を間近で捉えた、イギリスの音楽評論家、バーニー・ホスキンスによるドキュメント記事を掲載している。
バーニーとロンドンのとあるホテルのスイートルームで再会したプリンスは、それまで周囲から言われてきた批評的な言葉に対しての憤懣をぶつけてきたという。
その中で、80年代、自身の黄金期にサウンド・エンジニアとしてレコーディングに関わったスーザン・ロジャースについて、プリンス以下のように語っている。
スーザン・ロジャースに僕の何がわかるというんだ? 彼女が僕の音楽を少しでもわかっていると思うか? はっきり言っておく、スーザン・ロジャースは、僕の音楽を全くわかっていない。何ひとつわかっていない。
僕の音楽を少しでもわかっている人間はただ一人……僕だけだ!
その後プリンスの苛立ちはピークに達し、「もう話すのはやめて、インタビューも受けないことにするかもしれない」と告げていたという。
プリンスは、これまでにも音楽業界やシーンに向けて警鐘を鳴らしてきたが、ロック低迷期の82年には以下のような発言をしていたそうだ。
今のポップ・ミュージックに欠けているのは危うさだよ。興奮もなければ神秘性もない。こっそり抜け出して、御法度のエルヴィス・プレスリーやジミ・ヘンドリックスのコンサートを観に行く、みんなをそんな気にさせる魅力がないんだ。
記事では同ドキュメンタリーの他、今回フィジカルとして再発された3枚のアルバムをそれぞれ紐解いたロング・レビューも掲載している。
2016年にこの世を去ってもなお、ミュージシャンとして、またひとつのシンボルとして輝きを放ち続けるプリンスの貴重なドキュメントの全容は、ぜひ『ロッキング・オン』3月号で確認してもらいたい。
プリンスの関連記事は現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。